飴屋工房

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2024年

オペアンプ使用ヘッドフォンアンプ基板

NE5534/NE5533をJFET入力で使う

Arduino IDEで使えるtinyAVR用の書き込み&デバッグ用ボード

真空管ミニギターアンプ

ミニギターアンプ用スピーカー

ミニギターアンプ用ヘッドフォンアダプタ

Raspberry Pi 5 + NEO 5 NVME

OPA2828

TROP-001

MUSES05再版

Lepaiモドキ偽ステレオアンプの中身入替

IN-14b使用ニキシー管時計

記載内容は全て無保証無責任。使用する場合は自己責任で。

 
オペアンプ使用ヘッドフォンアンプ基板
(2024.5〜6)

オペアンプの評価用基板を持っていなかったのでヘッドフォンアンプとして作ってみた。初めは秋月B基板に普通に部品を載せて配線して〜という感じで,ただ行き当たりばったりだと後が面倒くさいのでKiCADで配線パターンを作って,その通りに部品を載せて配線して〜というつもりだったのだが,段々面倒くさくなって結局プリント基板を発注してしまった。回路はぺるけ氏の続 理解しながら作るヘッドホン・アンプ の中に記載されているオペアンプ使用のヘッドフォンアンプ。32Vでも壊れないよう定数は変えてあるが,それ以外そのままなので,そちらを参照いただくとして,普通の非反転増幅回路にSEPPバッファを足しただけの構成だ。同一基板に同居させた電源回路も同様のSEPP式レールスプリッタ。早速,NE5532を載せてMDR-M1STを鳴らしてみたのだが,このアンプ,かなり素直な音がする。


バイパスコンデンサ未装着状態。搭載部品は全部流用品。
灰色の電解は松下のFC-A。デジットのジャンク。ヒートシンクもジャンク流用品なので場違いサイズ。
レールスプリッタのエミッタ抵抗は写真では4.7Ωだが後で10Ωに交換。

特徴はというと終段バッファの先からオペアンプの前までNFBでなく,NFBはオペアンプ部分だけ。90年代〜2000年代に一部で流行った終段無帰還アンプだ。終段が無力だったりエミッタ抵抗が大きくてもスピーカーの逆起電力をNFBで初段に戻さないのと,使用するオペアンプをあまり選ばないのが売りだが,きちんと設計しないとDCドリフトに悩まされるというもの。ちなみにこの構成にしたのは単純にオペアンプ測定用治具基板が欲しかっただけで,ぺるけ氏のオリジナル回路はSEPP出力からNFBをかけている。どちらが良いのかといえば後者だろうが,聴き比べていないのでよくわからない。DCドリフトについては,オペアンプ側でプラス入力側とマイナス入力側に同量の負荷をぶら下げればmV程度に落ち着くので特に問題ない。NFBのループ外にあるSEPP回路の歪みも補正してくれないが,それはそれでバイアス電圧生成用ダイオードの非線形部分が影響してくるので,ダイオードをバイパスするコンデンサがあった方が良い。元ネタ回路にはコンデンサ(1000uF/10V)がついている。DC電圧が両端0.9Vくらいで,振幅も相手がヘッドフォンだと大振りしたところでせいぜい1〜2V前後なので品種はタンタル以外なら正直なんでも良い。

そこで廉価な耐圧6.3Vマザーボード用を試してみようと思った次第。マザーボード用のコンデンサはオーディオ用と違って音が素直だ。ここに使ったコンデンサの評価結果はこんな感じ。


千石の地下にあるマザーボード用コンデンサ群。
緑がサン電子 WG,茶色が東信UTWRZ,黒金が日コン HZ

サン電子 WG 1500uF/6.3V
クセがなくスッキリ。3つの中ではベースラインが一番気持ちよく鳴る。低音がハッキリしている分,高音が少し籠るので適当なフィルムコンデンサを並列にすると化けるかもしれんし,余計な音がつくだけかもしれない。

東信 UTWRZ 1200uF/6.3V
アッサリ風味。これはアリだが味付けがアッサリなので製品に入れたら多分売れない。あのキャッチーなギラギラ音が出る銀色コンデンサ(あれはあれで好きだ)を作っている会社の製品だとは思えない程,バランスが良い。おいら好みの音だ。

日コン HZ 1200uF/6.3V
少し高音の歪みっぽさが耳につくが,変にカスれている訳でもなく,味付けとして許容範囲。東信UTWRZよりはスッキリ聞こえる。好みはおいといて,製品に入れて市販するならこっちの音かな。小型なのも何気に有難い。

日コン MUSE BP 100uF/25V
いきなりイロモノ代表。0.9Vくらいなので,実はバイポーラの方が面白い音が出るのではと。手持ちのバイポーラはコイツと,標準品の220uF。4個揃うのはコイツだけなのでコイツで勝負。スッキリサッパリ。HZのような余計な音はついていない。エレキベースは良かったが,シンセベースはイマイチ。

ニッケミ PSG 1200uF/16V
以前,サイズが気に入って電池管のアンプの出力カップリングに使った奴。コイツは意外にいける。バランス良し。解像度も頑張っている。味は無味無臭。音楽的にどうのこうのという用途には向かないし,製品に使おうとも思わないが,このシリーズは小型なのをいいことに,我が家のあちこちの自作アンプと改造アンプで使っている。そのせいか一番聞き慣れた音がする。HOME SWEET HOMEって感じ。上の3つが千石で50円以下なので価格は比較にならないが,コスパ気にしなければアリ。

結局,これだけ聞いてニッケミPSGに決めてしまうあたり,ヘタレだ。まだまだ修行が足りん。

コンデンサを半田付けしたところで,次に球ころがしならぬオペアンプ転がし。オフセットのバイパス用コンデンサをバイポーラにしたのでピンコンパチで耐圧の問題が無いなら何でも搭載できる。ついでに波形観測もしてみた。波形観測時の負荷は後段SEPP回路だけの軽負荷。なので出力の弱いオペアンプでもそこそこ綺麗に出る。電源は中古で数百円のカシオのフォトプリンタ用ACアダプタ。32Vも出るのが特徴。さすがに電源のスイッチングノイズが載っているが先月のブレッドボードよりは綺麗な波形だ。ってか,500KHz信号をブレッドボードで測定しちゃいかんな(そりゃそうだ)。それぞれコメントを入れたがあくまでおいらの個人の駄耳の感想。音の受け取り方は人それぞれ。好きなオペアンプを好きなように使えばいいと思う。ちなみに,波形は載せなかったがベテランTL072やLF412がそこそこ頑張っていた。用途次第では考慮に入れても良いのかもしれん。

TI(BB) OPA2134
ぺるけ氏の元ネタはOPA2134を指定。執筆当時としては良い選択だと思う。ただ,コイツが秋月で廉価に売られていたのは遠い昔。今は入手難で値上がりしたのでコスパ最悪。国内入手で安いのは秋月のこのキット を購入してオペアンプだけ使う方法。今の円レートならアメリカから直輸入しても同じ位の価格になる(アメリカからの送料分だけ大損)。まぁ,無理してこのオペアンプを使うなら素直に別のオペアンプを使った方が良い。我が家にも遊びで使える奴が1個だけ残っているので刺してみたが,音はアリだ。昔の価格ならコスパ最良だと思う。ただ,少し余計な音がウルサイ。


OPA2134波形。左100KHz右500KHz。ちょび髭が目立つ。

TI NE5532
定番のNE5532。TIもJRCも気持ちよく聞ける。TIの方が多少ドンシャリ。5532独特の音のクセはどちらも変わらず。まぁ,あれはあれでキャラクターだと思えば。あと,手持ちのTIの5532には偽物も混ざってた。TIの5532は自分で購入した覚えがないので中華アンプに載っていた奴→過去写真で調べたらNFJのジャンク基板TUBE-02Jモドキに入っていた奴だ。試作っぽいジャンク基板に載っていた奴なので実売の製品に同じモノが載っているかはわからん。しかしこんな安物オペアンプにまでわざわざ手間暇かけて偽物とは。TIが直販と一次卸以外の販売をやめる訳だよなぁ。中華の闇は深そうだ。


この髭が独特なキャラクタ。500Kだと全体に訛ってしまう。DC成分も。


こちらは偽物。これを掴まされたアンプは可哀想だ。

Signetics NE5533/NE5534 + 2SK2145
先日のNE5533/NE55344 + 2SK2145も気持ちが良い音する。元ネタにあったカスコード接続を省略した影響か調整不足のオシロプローブのような見事な髭が出ているが,それを含めたアナログ回路だと思ってNFBにコンデンサを付加すると綺麗な波形になる。百円〜せいぜい二百円の5534がここまで化ければ御の字だ。


5533と5534の波形は44大体同じだったので5533の方で。髭が酷いが見事な改善だ。


NFBに並列で22pFを追加。これなら文句無しなのでは。

NS(TI) LM4562
なかなかいい感じに解像するが5532とは違ったクセが出る。秋月で200円台だった頃は高コスパで買い銘柄だったが,値上がりした今となっては後述のOPA1656の方が良いかもしれん。


RC4558の広帯域バージョンのような,見事な波形だ。

TI OPA1656
最近の買い銘柄。歪み感は無い。波形はLM4562に似ている。中身も似ているのかもしれん。解像というよりは,独特の煩ささがある。それでも今ならOPA2134やLM4562よりおいら的にはこっちだ。それなりに安いし,秋月で扱ってくれると有難いのだが。


バイポーラとJFETの違いはあるが,傾向はLM4562に似ている。置き換えを狙ったのかもしれん。

TI OPA1612
これは発振しまくってそのままでは使い物にならなかった。コンデンサを入れる必要アリ。コンデンサ次第で波形はどうにでもなるので,波形はナシで。

TI OPA2828/OPA827/OPA627
さすがに別格の音がする。価格は抜きにするとOPA627が音楽的。OPA827は悪く無いがOPA627を聞いてしまうと見劣りする。OPA627/827は波形を見るとそれなりに暴れているので,気にならない程度のコンデンサを入れた方が良いかもしれん。OPA2828はモニターっぽい鳴り方だが素直な音だ。ちなみにOPA627は正規流通のDIP品と,NFJの中古SMDを持っているが,どちらも似たような波形だった。ウチのNFJ品は本物なのだと思う。


OPA2828は見事な波形だ。


OPA827は髭が特徴的。


こちらはOPA627。OPA827ソックリだ。
こう見ると,OPA827はOPA627のローコスト版で,OPA828/2828は別物だとわかる。

日清紡 MUSES兄弟
余計な音をつけずに綺麗に解像したのはMUSES05。上に書いたTIの高額オペアンプ群と比べて一枚皮を剥いだというかそんな感じ。




上 MUSES8920,中 MUSES03,下 MUSES05
傾向はソックリ。補正コンデンサの容量違いのようななんというか。
回路は似たようなもので,プロセスや材料の違いだけなのかもしれん。

AD AD8397 (24V)
ACアダプタを秋月の24V品に入れ替えてAD8397に交換。500KHzくらいではビクともしない余裕のドライブ能力。コイツはヘッドフォンを直接鳴らしてナンボの品種だが,電源ノイズが減った影響もあるのか,今までで一番綺麗な波形だ。音はクールビューティー。表面的だが解像する。悪くはないが好みが分かれるというか,例えて言うならMDR-CD900STの音のような。


波形だけならTIの高額品や日清紡のMUSES兄弟よりも綺麗。

番外 TROP-001 (24V)
この工房の下の方でネタにしているトラ技で頒布していたディスクリートオペアンプ。これも最大24Vなので24V入力で測定。この基板との相性は中々いい。ディスクリートアンプの音がする(当たり前だ)。解像感はイマイチだが,余計な付帯音もなく聞き疲れしない。音の傾向はなんとなくNJM4580に似ていると思うのは気のせいか。


これはこれで相当頑張っているような。

NS(TI) LME49860
なんとなく薄っぺらい印象のLM4562(LME49720)よりは個性を主張する。弦が透き通っていて女声ボーカルも綺麗な上品な音。1000円出す気はしないが,500円以内で入手できたのならお買い得。


波形だけみるとLM4562の方が綺麗に見える。

AD OP275
モニター的なサウンドにドンシャリを足したというか。OPA2134といい勝負のように聞こえる。主張もせず前にも出ず後ろにも下がらない素直な音。以前,100円くらいで売られていた頃なら良い選択かもしれんが,今の秋月の価格を見たらびっくり650円だ。それだけ出すならMUSES8920の方が良いような気もする。


波形の傾向もOPA2134と似ている

番外2 NE5534の偽物/LF411
パッケージにはシグネティックスのロゴにNE5534と書いてあるが,なぜか1番ピンと8番ピンからの信号入力ができなくて,10mV以上出る筈の入力オフセットも0.5mVだったというシロモノ。パッケージは明らかにナショナルセミコンダクター。音は5532シリーズ特有のキャラクタは無く,何故かボルテージフォロワでも発振しない。中低域は気持ちが良いが高域が少し歪みっぽいが許容範囲。バランスは良く,ドンシャリしている訳ではない。TL072のようなノイズも聞こえない。解像というよりは雰囲気包み込み系だがNJM4580よりは解像する。となるとコイツの正体はLF411のような気がするがどうなのだろう。



上:偽物の中華NE5534 下:LF412(LF411の2回路版)の参考波形

(つづくかも)


NE5534/NE5533をJFET入力で使う
(2024.4〜5)

昭和の古典オペアンプNE5532の1回路版NE5534を2回路にしたNE5533という珍しいオペアンプを入手したので,早速遊んでみた。こいつは2回路なのに14ピンあって,位相補正用端子とオフセット調整用端子が出ている。NE5532と違って位相補正コンデンサは内蔵していないので,ユニティゲインに限らず低ゲインで使う場合は適当なコンデンサを位相補正用端子に追加する必要がある。普通にChu-Moy(大昔からある一般的な回路に車輪の再発明者の名前をつけるのもなんだかなぁとは思うが,これが何故か一般名称化してしまったので仕方ない)をブレッドボードで組んでヘッドフォンを鳴らすと,確かに5532の音がする。昔はおいらもこれで満足してたんだよなぁ。今となっては古いが。

お楽しみの方はChu-Moyではなく,いつの間にかVishayに吸収合併されてしまったSiliconix社のアプリケーションノート AN81-3。ここは老舗のFET屋だ。中身はというと,デュアルNch-JFETを使って,NE5534をJFET入力にしてしまおうというもの。スルーレートが上がって,真偽は分からんがユニティゲイン安定になるらしい。何故こんな技ができるかって,ICの中の初段増幅回路の出力がそのままオフセット調整用として外に出ているので,これを流用してここから信号を入力するという仕掛けだ。例にあったSiliconixのデュアルJFET 2N5912は持っていないが,秋月に置いてある東芝のデュアルFET 2SK2145と,TIのJFE2140が使えるかどうか。

まずはお試しにブレッドボード上のChu-Moyで音を聞いてみる。Siliconix社のアプリケーションノートにあるのはカスコード構成の回路だが,お試しなのでそこは省略。定電流回路は面倒なので定電流ダイオード。これでも電源電圧15Vならまぁ問題ないと思う。で,音出し。変換基板に載せた2SK2145が1個しか出てこなかったので片チャネルだけだが,確かに音が変わって少し今っぽくなる。最新のオペアンプと比べてどーだなんて話は不毛だが,NE5533ないしNE5534と,2SK2145をそれぞれ安く入手できればコスパは良さそうだ。


NE5533はシグネティクス純正のヴィンテージ品。
片チャネルに変なデュアルFETがついていること以外は普通のChu-Moyだ。

次に波形測定。負荷は10KΩ。アプリケーションノートの例にあったカスコード構成ではない,なんちゃってJFET入力だが確かに位相応答がよくなっている。周波数特性も向上。これなら安定しそうな感じだ。ただし,ブレッドボードの影響なんだろうが,少し発振しているのでマイナス入力と出力との間の抵抗に並列で68pFを追加する必要アリ。100pFでもよいがその真ん中位がベストな様子。コンデンサを入れると落ち着いた波形になる。NE5533(NE5534)に秋月の2SK2145と定電流ダイオードを1個ずつ足すだけで化けるってのが遊びとしては面白い。


(1) (比較用)100KHz入力時の応答。13-14ピン間の位相補償22pF。3.2Vくらいになる。NE553xらしさはこのヒゲから。


(2) (比較用)10倍の1MHz入力時の応答。位相補償22pF。出力は100KHzの半分以下に。


(3) (比較用)22pFを外すとこんな感じ。位相がひっくり返りかけている。出力もおよそ半分。

次にJFET入力。出力側のレンジを半分にしているので,実際は見かけの2倍だ。


(4) (2SK2145入力)なんちゃってJFET入力にするとこんな感じの応答になる。
波形はノコギリ波だが出力は3V超。位相遅れはほとんどない。


(5) (2SK2145入力)ちなみに上記構成で500KHzだとこんな感じ。まぁ頑張っている。

ここまでやるのだったら,アプリケーションノートの回路例をそのままTIのJFE2140で実験出来ないかと試してみた。カスコード構成だ。結果,周波数特性はかなり改善。東芝の2SK2145よりは角が立つ波形となった。これなら世の中の高級オペアンプとも並べられる。問題はコスト。秋月で2SK2145が2個100円。1個あたり単価50円なのに対し,JFE2140は1個500円。2個必要なので1000円だ。コスト20倍。だったら世の中の高級オペアンプと変わらんような気がしなくもない。(もっとも,下段JFETだけ¥50の東芝を使うという手はあるが,それでも11倍だ)


(6) (JFE2140×2入力)500KHzだとこんな感じ。ブレッドボードなのになかなかの特性だ。

ブレッドボードだけでは実用的では無いので,変換基板を作ってみた。NE5534の方は部品が上手く乗らなくて8ピンDIPソケット3倍サイズになってしまったが,NE5533基板は市中によく出回っているオペアンプ2回路基板と同サイズの8ピンDIPソケット2倍サイズで作成。3倍サイズの方はウルトラスーパーミニパッケージのトランジスタの半田付けさえできれば特に問題ないが,2倍サイズのはアクロバティックな実装で,半田付けの難易度は結構高い。ネタとしては面白いので同人基板として頒布しようかなとも思ったが,こりゃダメだ。もう少し簡単に組み立てられないと。


どちらも機能的には同等品
下の基板は1枚部品載せるのに2時間以上も奮闘。作業性最悪。


5533基板と5534基板は同回路だが,5534の方はこれにバイパスコンデンサ追加。定電流回路のトランジスタはYクラス推奨。
回路上は2SK3320も書いてあるが基板は一回り大きい2SK2145用に作成。(回路のご利用は自己責任で)

肝心の音はどうか。さすがにChu-moyで評価するのは可哀想なので,NFJのDAC FX-04J+の最終段に入れてみた。これが結構良い感じに鳴る。TIのOPA16xxのようなオペアンプ臭は無く,ディスクリートっぽい。初段の差動増幅がディスクリートなのである意味ディスクリートなのだが,5532や5534をそのまま使うよりも素性の良い素直な音だ。これならディスクリートオペアンプだと嘯いてもレジンモールドしてしまえば騙せるかもしれない。OPA627とも別系統の音で,どちらかといえばMUSESの音に近いような。まぁ,元がオペアンプとFETとトランジスタ,全部合わせても数百円なので,高級オペアンプと比較するのは無粋。ここは単純に東芝の2SK2145とNE5534/5533に拍手だ。 NE5534基板 TIの現行品 ... 硬質。良くも悪くも5532の音。イマイチ。 TIのMADE IN JAPAN 光沢モールド 現行品よりは全然マシだが少し硬質。ホワイトノイズが微量出る JRC NJM5534D/NJM5534DD(ノイズ選別品) TIとは音が変わる。聴き慣れたJRCサウンド。質の良し悪しはおいといて,音そのものはMUSES(の高価な方)に更に似てきた。 DとDDのホワイトノイズの違いは駄耳には判別できず。DDはかなり前に購入で,Dは先月購入。音はDの方が良かったがロットや保管方法依存かもしれない。 でもこれは昨日試したシグネティックスのヴィンテージNE5533の「解像するのにゆるふわ感」とは違う聴き慣れたJRCの音だ。ここまで来ると回路が同じかどうかも怪しいが,確かにデータシートを並べると微妙に特性が異なるのでJRC品は似て非なるモノなのかもしれん。それでも通常の使い方では全く保証ナシの1ピンと8ピンからの信号入力で音が出ているのだから,用途的には問題ない。 NE5533基板 シグネティックス (ヴィンテージ品 ロット8220) ゆるふわなのに解像する。無駄にキラキラしないのが良い。ディスクリートっぽい。

まずはTIのMADE IN JAPAN 光沢モールドのヴィンテージ品だ。NE5533の音に近くなったがちょっと硬い。でも現行品よりは全然マシ。やはり現行品は別物なのかもしれん。これならNE5533よりもNE5534の方が良い。ただ,個体差なんだろうけどホワイトノイズが微量。エージングで多少消えるかもしれんが,これはこれで気になる。それなら手持ちの中にノイズ選別品があるJRCはどうだろうか。JRCのNJM5534DとNJM5534DDを試してみる。NJM5534DDはDのノイズ選別品だ。ウチにあるDDは遥か前に秋月で買ったモノ。Dはこの遊び用に先月買ったモノだ。TIのヴィンテージ品で気になったノイズは消えた。残念ながらDとDDのノイズの違いは駄耳には判らなかったが,音は先月買ったDの方が良かった。もっと買っておけばよかったかな。ただ,このJRCのNJM5534は音が変わる。質の良し悪しはおいといて,音そのものはMUSES(の高価な方)に更に似てきた。でもこれは昨日試したシグネティックスのヴィンテージNE5533の「解像するのにゆるふわ感」とは違う聴き慣れたJRCの音だ。ここまで来ると回路が同じかどうかも怪しいが,確かにデータシートを並べると微妙に特性が異なるのでJRC品は似て非なるモノなのかもしれん。それでも通常の使い方では全く保証ナシの1ピンと8ピンからの信号入力で音が出ているのだから,用途的には問題ない。

(つづく)


Arduino IDEで使えるtinyAVR用の書き込み&デバッグ用ボード
(2024.4)

諸先輩方が色々作っている中で,おいら用に中華USBシリアルのCH340を2個乗せた仕様。片方がUPDIでもう片方はシリアル送受信用だ。回路次第で共用できるのだが面倒臭いので,2個載せた次第。そのままでは2個乗らないので,中華USB HUBチップのFE8.1で分岐してみた。当然,Mac上のArduino IDE側はUSBシリアルが2個載っているなんて想定外なので,書き込み時とシリアルを使ったデバッグ時でシリアルポートの選択を切り替えながら使う。これだけだと秋月C基板サイズの半分も使わないので,ついでにI2C仕様の小型液晶パネルも載せてみた。これはこれで,シリアルではなく液晶パネルに何か表示したいときに使う。うーん,ここまでやるならマイコンを載せて,デバッグ用のシリアル側は普通に液晶コンソールにしても良かったような気が今してきた。まぁそれはその次の課題ということで。
回路図 (利用は自己責任で。無責任無保証)


3.3Vと5Vの切替はUPDI側はスイッチで,I2C側はコネクタ差替で対応。
ATtiny1614でテスト動作中。大ボケかまして基板に布線が貼ってあるのはご愛嬌。


真空管ミニギターアンプ
(2024.2〜4)

キッカケは秋葉原ラジオデパート2階の桜屋電機のにーちゃんが2023年末にXにポストしていた救えなかったケース。たまたま別件でラジオデパートに寄ったときに1個購入。普通にエフェクターを作るのも良いが,そもそもギターアンプをかなり前に処分してしまったので音が出ない。そこでギターアンプとして仕上げてみることにした。普通に作っても面白くないので,そこは真空管式ということで。

初めはこのケースの穴を普通に活かすつもりだったが,欲がでて最初に音量ボリュームをつけたくなり,そうするとトーンコントロールもつけたくなり,回路を考えているうちにゲイン調整もつけたくなってしまったので,追加でボリューム穴を4つ,トランスの支持穴を2つ,配線穴を1つ。加えて,中央のスイッチ穴は真空管穴に流用するので直径を20mmまで増大(これはあとで真空管ソケットをつけた状態でボリュームが嵌まらなくなってしまったので,あとで更に拡大する羽目に)。自分で穴を開けるなら元は救えなかったケースでなくても何でも良いような気がするが,それはそれ。穴を開けた後に脱脂して,出力トランスをくっつけてからプライマー(ミッチャクロン)を吹いて,その後に染めQのエバーグリーンを塗ってみる。何故この色って,こんな若草色のアンプなんてあまり無いだろうという思いから。思ったより隠蔽力が低く,地色のアルミの風味が出て少し暗めの色調だ。うーん,プラモ用の白サフを吹いてからエバーグリーンを塗るべきだったか。いや,そうすると塗料同士の相性も考えないとならん。


穴あけ加工後のケース。


塗装後。光の関係で明るく見えるが実際はもっと暗い色調。
ケース幅が微妙に足りずトランス(ノグチPMF-B7S)は斜めにつけた。

このサイズのケースを真空管アンプに仕立てる際に問題になるのが電源だ。球は余っている6DJ8や6FQ5で良いのだが,スピーカーを元気に鳴らすとなると話は別。比較的高出力な6BM8や6GW8を使いたい。今回,小型化ということでヒーター関連の回路を最小限にしたいので,サンエイ電機にあった6BM8の8V版8B8を採用。これなら,9Vアダプタと簡単な抵抗ドロップ(もしくはダイオードドロップ)で使えそうだ。で,こいつでマトモにスピーカーを鳴らすとなると高電圧が必要。相手がギターアンプなのでACアダプタで給電可能な24Vや32Vで使っても音は出るが,やはり高電圧で使いたい。そこでニキシー管用の切手サイズの高電圧昇圧モジュールNCH8200HVを試してみることにする。

まずはノイズ評価。オシロで波形を覗いてみると,最大負荷時で1Vp-pくらいの膨大なノイズが出ている。さすがにこのまま使うと面倒な話になるかもしれん。普通のLCフィルタでも割といい線まで落とし込めるのだが,元々の100KHzのノイズの他に,中〜軽負荷時は数百mVくらいの量で数百Hz〜数KHzのノイズが乗ってくる。大した量ではないがこれを真面目に対策しようとするとかなり大きなLとCが必要で,ちょっとサイズに合わない。そこで最初に試したのが下駄履き付き3端子レギュレータ。GND端子にツェナーダイオードで160V分の下駄を履かせれば,5Vの3端子レギュレータ7805でも165Vになる。早速ブレッドボードで組み上げてオシロで波形観察。100KHzは流石に取りきれていないが,それでもなかなかの性能だ。ただ,ツェナーダイオードの影響かノイズが結構凄い。こりゃいけるかもしれないとツェナーダイオードのノイズ対策を色々実験している間に3端子レギュレータが昇天。まぁ,そりゃそうだな。実験なので保護用のダイオードひとつも入れてないし。この方法は危険なので却下。次に,ぺるけ式FETリップルフィルタを試してみることにした。100KHzは少し厳しいが,数KHzならお手のものだ。FETはデジットのジャンクで袋買いした2SK2662を使用。個人では使いきれない量なので実験用には最適。これもなかなかの成績。小型化もできそうなのでコイツに決めた。


小負荷時はこんな感じな数KHzの山ができる。大負荷時は100KHz/1Vp-pの山。


LC併用でFETリップルフィルタを通した後。ヒゲを除いてだいたい5mV以内。この位なら無問題?

回路構成そのものも色々悩んだが,結局はプリアンプ→3極管増幅→フェンダー式トーンコントロール→ラインアンプ→5極管(3結)増幅の構成に。プリアンプは3極管で歪ませるかどうかのゲイン調整。これはブレッドボードで試作しながら色々悩んだが,フェンダー式のトーンコントロールは歪ませた後に入れた方が面白い音になるので,先にプリアンプでゲインを上げてから真空管に突っ込んで歪ませてしまおうという魂胆。クリアトーンと選べるように,ゲインコントロール用のボリュームを追加。ラインアンプはトーンコントロールで失ったゲインを5極管でスピーカーを鳴らせるレベルまで回復させる。ここの音声レベルは高電圧なので,本来は真空管で増幅したいがそうもいかないので,超低消費電力TL062を電源電圧32Vで使う。5極管のあとはシングルアンプ用トランス。どうせ低音は出さないので割り切って小型のもので。ブレッドボードで試作した限りは普通に音が出たのだが,基板に実装してみると予想はしていたが案の定発振。相手がギターだとなかなか面倒くさい。色々回路を変えたりしてみたが,結局内部配線を工夫することで発振を止めることができた。まぁ,基本的なことを基本の通りにやれば止まるということで。手抜きしちゃダメなんだよなぁと反省。

発振が止まったところで,色々と遊んでみることに。まずは入力段のオペアンプで遊んでみる。弦のサステインの伸びは入力抵抗値に依存するようで(そりゃ考えてみれば当たり前の話なのだが),入力回路がバイポーラよりもFETの方が伸びる。そこでFETタイプのモノを色々と。まずは日清紡のNJM8901。相性は悪くないがもっと望めそうだ。次にMUSES8920。これもいい感じに鳴る。帯域制限コンデンサをつけまくったお陰か素の帯域は問題にならなそう。それならば最近ご贔屓のOPA1656はどうか。コスパは悪いがさすがにいい音する。ってかこのオペアンプ,オーディオ用なのでギターアンプに使う奴はあまりいないと思うが,ギターアンプ用として結構向いてないか? 高音が気持ちいいし,サステインもいい感じに伸びる。入力インピーダンスが100MΩなので1TΩのTL072やTLC2272よりは劣るが,並列1MΩで受けている限りどんぐりの背比べ。結局のところ,NJM8901に決定。コイツは使い勝手が良い。

次に終段回路の見直し。最大出力で鳴らすと結構な音がでるが高電圧モジュール内の安全回路が働いてしまう。なので終段のカソード抵抗を820Ω→1.2KΩにして,通常の信号であれば常に定格の30mAを超えないようにした。それでも音量が大きくなるとダメなときはダメだが,まぁ市販する訳ではないのでこれで十分か。出力は随分落ちたが,それでも一人で鳴らしていると煩いくらいまでは出る。勉強になったのは,この電源モジュールNCH8200HVを使うなら8B8(6BM8)はイマイチだということだ。真空管を8B8にしたのは9V電源で簡単に動いてそこそこ音量が稼げそうだったからだが,それなら高電圧モジュールはNCH8200HVでは少し力不足で,一つ上のクラス(ただしサイズは4倍程度)のNCH6300HVにする必要があった。これなら70〜100mA取れる。
回路図 (利用は自己責任で。無責任無保証)


はらわた。初段オペアンプは交換で遊べるようにソケット付き。


ミニギターアンプ用スピーカー
(2024.3)

ヘッドフォン専用のつもりだったが,アンプはアンプヘッドにして下に中高音だけ出るスピーカーをつけてみたくなった。中高音且つ昔ながらの真空管っぽい音を目指すならやはり軽い紙コーンのスピーカーと吸音材をたっぷり詰めた密閉箱だ。秋月にある北日本音響の¥300なFE83モドキをダイトーボイス改めKAYASoundの8cm密閉箱に入れる。随分と値上がった気がするが仕方がない。穴の径が1〜2mmくらい微妙に合わないがまぁ誤差の範囲。なのでFE83添付品のパッキンがあれば御の字だが,そんなものは¥300スピーカーにはついてこないので,サークルカッターでダイソーのウレタンをカットして自作するか諦めるか。おいらは当然諦める方を選択。だってギターアンプだし。ステレオにする必要はないので用意したのは1本だけ。早速鳴らしてみる。低音は出ないが,まぁそういうものだ。ちょっと紙臭い歪みがあるが,これは昔のFE83もこんな感じだったので音を出しておけば時間の問題だろう。この秋月の¥300ユニット,今のところ音にちょっと癖があるが,適度にエージングすれば箱次第では化けるかもしれない。まぁでも,結構な手間と金がかかる立派な箱に¥300ユニットを入れるか?という問題と,巷の報告例があまり無いところをみると価格相応なのか? これを10個くらい並べたら結構面白そうなのだけどな。


ギターアンプと組み合わせて音出し中。


ミニギターアンプ用ヘッドフォンアダプタ
(2024.4)

秋月の安物スピーカーはいい感じに鳴ってくれたのだが,やはりエレキギターをそのままスピーカーで鳴らして練習するのはさすがに周囲が気の毒だ。そこで,当初の予定通りヘッドフォン出力を追加してみる。このギターアンプの出力トランスの2次側は8Ωだ。となると出力が8Ωでないと1次側の負荷が7KΩではなくなってしまうので,24Ωのヘッドフォン,MDR-M1STはそのままつけられない。諸先輩方の真空管アンプをみると,ダミーロードをかまして8Ω近くにしている。これをそのまま真似したいが,こいつはオーディオアンプではなくギターアンプだ。なのでアンプを過大出力にして歪ませる使い方もあり,単純なダミーロードではヘッドフォンか耳が壊れる。ここは固定抵抗ではなく可変抵抗にする必要があるということで,東京コパルの巻線可変抵抗器(まだ売ってたんだねぇ)を使って可変できるようにしてみた。2Wしかないが,そもそも2W出るアンプではないので無問題。この手の用途には巻線以外を使わないように!!


こんな回路。

ギターアンプの出力はモノラルなので,ヘッドフォンは左右並列接続。直列でも音はでるが4ピン接続しないと位相が左右で逆になってしまい気持ちが悪い。並列だと24Ωは半分の12Ωだ。コパルの巻線抵抗は容易に入手可能なのが10Ω,20Ω,100Ω。20Ωだとボリュームが最大のときに12Ωと並列で7.5Ωだ。このままだとボリュームを絞ると並列抵抗値が上がっていってしまうので,少し乱暴だが上側に固定の12Ωを追加した。これだと7.5〜10.9Ωの範囲に収まる。


昔懐かしい目盛板を挟んでみた。大きすぎ。もう少し小さいのを調達するか。

で,早速弾いてみた。お試しのヘッドフォンは24ΩのMDR-M1STではなく32ΩのNFJガチャで。これなら発振して壊れてしまっても¥500なので諦めがつく。なかなかいい感じの音だ。この安物ヘッドフォンでも思いのほか低音が出るのが驚き。これならベースギターのアンプにもなる。まぁ,回路的には低音を絞ってないので,低音が出ないのは安物小型スピーカーと安物小型トランスのお陰だと思っていたのだが,安物小型トランスはあまり関係なかったのかも。そう考えると,あのアンプで使った野口のトランスは同じシリーズにヘッドフォン32Ω用ってのもあった。これを使うと意外にいい感じのヘッドフォンアンプが作れるかもしれん。次のアンプのネタにするか。


Raspberry Pi 5 + NEO 5 NVME
(2024.4)

Raspberry Pi 5は90年代に百万円以上したUNIXワークステーションを軽く凌駕するCPUパワーを持っているのだが,ストレージがSDカードなのがボトルネック。なのでPi 5からPCIeバスが出るようになって,NVMeドライブがつくようになった。ただし現段階では純正品でのサポートはなく,物好きの為のオモチャ。色々と製品は出てきているが,海賊ロボ忍者さる(PIMORONI)が扱っているArgonのNEO 5 NVMEがなかなかの評判なので注文。そして,はるばるイギリスのシェフィールドから届いたので試してみる。コイツはRaspberry Pi 5とNVMeが一緒に収まるクーラー付きケースだ。前にPIMORONIのNVMe裸基板を試してみて,その裸基板がいい感じに入るケースが無いなぁと悩んでいたところに出てきたのがこのケース。NVMe基板とクーラー内蔵なのでPIMORONIの裸基板と純正クーラーが無駄になるのだけど仕方がない。あの裸基板をメルカリかヤフオクで売るにも添付品が全部揃ってないので変なクレームがつくと面倒臭い。また別の機会に使うということで。旧基板から移植したNVMeはNetacの安物。今は6275円だが購入時は5224円だったもの。で,ケースがマトモになったところで,お約束のUnixBenchをかけてみた。チューニング一切ナシの素の結果はこの通り。MacからWiFi経由sshで入っているので,そこのオーバーヘッドは多少あるが,シングルコアでスコア1476,4コアで3617って,こりゃRaspberry Piとは思えない爆速だ。そこらの商用クラウドサーバどころか,ひと昔前のPCより速いんでないかい。手のひらに乗る小さなコンピュータ基板が,90年代半ばの標準マシンであるSPARCstation 20の360倍,同じ頃のPPC604搭載PowerMacの約100倍高速ってのがなんだか時代を感じる。残念ながらファンレスではないが,信頼性と拡張性を一切無視すれば,家庭用サーバ用途としては十分すぎるかもしれん。

		------------------------------------------------------------------------
		Benchmark Run: 金  4月 12 2024 20:35:24 - 21:03:22
		4 CPUs in system; running 1 parallel copy of tests
		
		Dhrystone 2 using register variables       35761071.4 lps   (10.0 s, 7 samples)
		Double-Precision Whetstone                     6997.4 MWIPS (9.9 s, 7 samples)
		Execl Throughput                               5399.4 lps   (30.0 s, 2 samples)
		File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks        898027.2 KBps  (30.0 s, 2 samples)
		File Copy 256 bufsize 500 maxblocks          300050.1 KBps  (30.0 s, 2 samples)
		File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks       1318466.9 KBps  (30.0 s, 2 samples)
		Pipe Throughput                             1500319.8 lps   (10.0 s, 7 samples)
		Pipe-based Context Switching                 198319.2 lps   (10.0 s, 7 samples)
		Process Creation                               7876.3 lps   (30.0 s, 2 samples)
		Shell Scripts (1 concurrent)                   9573.6 lpm   (60.0 s, 2 samples)
		Shell Scripts (8 concurrent)                   2357.5 lpm   (60.0 s, 2 samples)
		System Call Overhead                        1058318.1 lps   (10.0 s, 7 samples)
		
		System Benchmarks Index Values               BASELINE       RESULT    INDEX
		Dhrystone 2 using register variables         116700.0   35761071.4   3064.4
		Double-Precision Whetstone                       55.0       6997.4   1272.3
		Execl Throughput                                 43.0       5399.4   1255.7
		File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks          3960.0     898027.2   2267.7
		File Copy 256 bufsize 500 maxblocks            1655.0     300050.1   1813.0
		File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks          5800.0    1318466.9   2273.2
		Pipe Throughput                               12440.0    1500319.8   1206.0
		Pipe-based Context Switching                   4000.0     198319.2    495.8
		Process Creation                                126.0       7876.3    625.1
		Shell Scripts (1 concurrent)                     42.4       9573.6   2257.9
		Shell Scripts (8 concurrent)                      6.0       2357.5   3929.2
		System Call Overhead                          15000.0    1058318.1    705.5
																		   ========
		System Benchmarks Index Score                                        1476.2
		
		------------------------------------------------------------------------
		Benchmark Run: 金  4月 12 2024 21:03:22 - 21:31:20
		4 CPUs in system; running 4 parallel copies of tests
		
		Dhrystone 2 using register variables      143003353.4 lps   (10.0 s, 7 samples)
		Double-Precision Whetstone                    27988.6 MWIPS (9.9 s, 7 samples)
		Execl Throughput                              10703.4 lps   (29.5 s, 2 samples)
		File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks       1479386.1 KBps  (30.0 s, 2 samples)
		File Copy 256 bufsize 500 maxblocks         1160117.3 KBps  (30.0 s, 2 samples)
		File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks       1336966.1 KBps  (30.0 s, 2 samples)
		Pipe Throughput                             5956580.5 lps   (10.0 s, 7 samples)
		Pipe-based Context Switching                 799313.1 lps   (10.0 s, 7 samples)
		Process Creation                              15522.0 lps   (30.0 s, 2 samples)
		Shell Scripts (1 concurrent)                  17835.4 lpm   (60.0 s, 2 samples)
		Shell Scripts (8 concurrent)                   2302.4 lpm   (60.0 s, 2 samples)
		System Call Overhead                        4222832.3 lps   (10.0 s, 7 samples)
		
		System Benchmarks Index Values               BASELINE       RESULT    INDEX
		Dhrystone 2 using register variables         116700.0  143003353.4  12253.9
		Double-Precision Whetstone                       55.0      27988.6   5088.8
		Execl Throughput                                 43.0      10703.4   2489.2
		File Copy 1024 bufsize 2000 maxblocks          3960.0    1479386.1   3735.8
		File Copy 256 bufsize 500 maxblocks            1655.0    1160117.3   7009.8
		File Copy 4096 bufsize 8000 maxblocks          5800.0    1336966.1   2305.1
		Pipe Throughput                               12440.0    5956580.5   4788.2
		Pipe-based Context Switching                   4000.0     799313.1   1998.3
		Process Creation                                126.0      15522.0   1231.9
		Shell Scripts (1 concurrent)                     42.4      17835.4   4206.5
		Shell Scripts (8 concurrent)                      6.0       2302.4   3837.3
		System Call Overhead                          15000.0    4222832.3   2815.2
																		   ========
		System Benchmarks Index Score                                        3617.3
		

OPA2828
(2024.4)

MouserからオペアンプOPA2828が届いたので,NFJのFX-04J+に搭載してみる。出力段はMUSES05のまま,DACの差動出力を受ける部分を変更。ピン配列は毎度お馴染みの2回路オペアンプだが,パッケージがHVSSOPの8ピンなのでそのままでは載らない。放熱パッド付きの変換基板が必要。そこでデジットの変換基板に実装してみた。この変換基板は秋月でも良いが,デジットの方が裏面パターンが大きくて安心感が。ってか,デジットではOPA2828をこの基板に乗せた完成品を¥3200で売ってる。HVSSOPのハンダ付けは真面目にやると面倒臭いし道具も色々必要なので,高さ制限がないならデジットの完成品がオススメだ。ただし,我が家のFX04J+はMUSES05が嵩張っているのでデジットの基板付属のヘッダーピンでは高すぎてダメで,ロープロファイルのピンをつける必要がある。で,早速鳴らしてみた。かなり今っぽいスッキリした音だ。OPA627の系統らしいが,OPA627をコイツに搭載したときに気になったディスクリートっぽい歪みはなく,雰囲気はOPA1656に似ている。ただし情報量はOPA627と同じくらい多いし,OPA1656のような余計な色(個性?)はついていない。ただ,後段のMUSES05が良いのか,今の構成でOPA1656を使っているならそれでもいいような気もする。価格はMouserでOPA2828が$11.90。これでもOPA627の$28.14(2つ必要なので実質は倍の$54.28)に比べれば約1/5でコスパが良いが,OPA1656はその更に1/5で僅か$2.35だ。という訳で贅沢オペアンプなのだが,飽きるまではこの構成にしておこうかと思う。


ES9018E2Mの先はOPA2828が2個にMUSES05が2個の贅沢構成。歪み感の少なさと情報量の多さが格別。
オペアンプはどっちもロープロファイルの変換基板にしておけばこんな感じでケースに入るサイズになる。


TROP-001
(2024.3)

トラ技4月号で再頒布の案内があったディスクリートオペアンプキット,TROP-001が届いたので試してみる。長崎のイサハヤ電子製。8ピンDIPサイズに凝縮しているが,正真正銘のトランジスタアンプだ。入力は普通に差動入力で,フォールデッドカスコードで受けて,JFET入力のダイヤモンドバッファで電流増幅する構成。出力段はヘッドフォンを楽にドライブできる1Aモノのトランジスタを使用している。小サイズに最適化という意味では良くできているがフォールデッドカスコードのあたり,電源の良否が音質に影響するかもしれん回路だ。早速ヘットフォンを駆動してみようと思ったが,ウチには2回路DIPオペアンプ1個,もしくは1回路のDIPオペアンプ2個でヘッドフォンを駆動するアンプが無い。それはまた今度,ブレッドボードで組んでみることにするか。それまで遊ばせておくのも勿体無いので,先日MUSES05で遊んだFX-04J+に突っ込んでみることに。その先に繋がっているのが真空管アンプなので,大電流が取り出せることについては意味がなく,このオペアンプには苦手な分野かもしれん。音を出してみると結構面白い。(当たり前だが)トランジスタアンプの音がする。ES9018K2Mの繊細さを多少残しながらも,一昨年作ったPCM53のDACのような力のある音が出てきた(そういえば,あれも出力はダイヤモンドバッファだったっけ)。これは好み分かれるかも。おいらは好きだ。


表面。左側中央が電流増幅部,その下が電圧増幅部。それぞれ別々にバッファやOTAとしても使えそうだ。
そういえば,こんな感じで電圧増幅と電流増幅を別々に作って一つのICの中に実装したのがMUSES05だっけ。


裏面。ぎっしり実装されてる。バイアス用のLEDは赤だった。


組み立てて秋月のDUAL基板に実装してみる


MUSES05再版
(2024.2)

秋月で再販したMUSES05を早速載せてみた。手始めに2/2にネタにしたヘッドフォン出力付きUSB DAC DAC-X6J。コイツはUSBを使わずXMOSを経由してSDIF接続で。シングルエンド変換のOPA2134はOPA827×2に交換し,その先をPMLCAPに交換。出力は別のヘッドフォンアンプに繋いで使っているのだが,このOPA827を秋月の下駄を履かせたMUSES05に差し替えてみる。これは面白い。音は甲乙つけ難いのだが,情報量多めなのは変わらず。クールビューティのOPA827/OPA627とは違い,合唱アルトは欧州系トランジスタを混ぜたディスクリートのような艶っぽい鳴り方をする。低めのハイハットも面白い。CS4398ってこんな音だったっけ。と,今までの概念を見事に崩してくれた。残念なのは秋月の下駄では微妙な差でDAC-X6Jのケースに入らないこと。ロープロファイルの足が必要。

そこで緑の細ピンヘッダを使ってみた。少し太いがICソケットに入る太さだ。MUSES05×2は今までのピン台座を半田吸取機で外して,秋月のDUAL基板に細ピンヘッダ経由で直付け。この基板の裏面にはPMLCAP 0.1uF/50VとECPU 1uF/25Vを仲良く1個づつ。本当はPMLCAP2個の方が良さそうだが,予備を切らしたところでピンセットで飛ばしてどこかに飛んでしまった(その後,ECPU 1uFは25Vではなく16V品だったことに気がついて,慌ててPMLCAPを買いに行って貼り替えたというオチも)。

MUSES05を変換基板に直付けするのは勿体ない気もするが,どうせシングルでは使わないので,誰かに売る訳でなければこの形態で十分のような気もしなくもない。細ピンヘッダの足は適当なICに合わせてカット。ついでに,普通のピンでは干渉してしまったOPA1656の方も細ピンヘッダに変更して実装。こちらはMUSES05基板と干渉するので細ピンヘッダの台座は捨てて足の部分だけ使用。Bispaの低背対応ピンと大体同じ高さになる。ソケットから浮かせてつける必要がないなら低背対応ピンよりもこちらの方が安くて簡便だ。(もっとも,オペアンプを使い回すなら細くて丸い低背対応ピンの方が良い)。これでDAC-X6JやDAC-FX04J+のケースに入るようになった。


変換基板同士が微妙に上下に重なる。
普通のDIPタイプのオペアンプを載せる場合は少し避ける必要があるかもしれん。


Lepaiモドキ偽ステレオアンプの中身入替
(2024.1〜2)

NFJのジャンク箱に入っていたLepaiモドキな偽ステレオアンプの改装基板を作成。元のアンプはステレオに見せてモノラルという訳わからん中華アンプ。中国製品の闇は果てしない。NFJが騙されて何台仕入れたのかは知らんが,さすがに市販できないのでジャンク箱に入れて特売。まぁ,資産(ゴミ)処分方法としてはアリだ。受け取った方もネタとして使えれば2度美味しい。我が家の個体は先月バラして色々解析したのだが,小手先の改造ではどうしようもないことが判明したので,思い切って外装だけ使って中身を今風に入れ替えてみることにした。往年の本家にあやかってデジタルアンプ(D級アンプ)に改装。TIのTPA3118D2APを使用。秋月やDigiKeyで入手できる。さすがD級。省エネだ。音はまぁD級アンプって感じ。でも昔のTA2020なんかと比べると癖が無くて素直な感想。まぁ,前段のTL074のお陰かもしれないが。早速リモート会議に使ってみたが,全く問題ない。もっとも,ミュート回路を一切入れていないので,電源ON時に盛大なノイズが出る。高級スピーカーを接続するのは厳禁だ。


只のストレートアンプなので基板はスカスカ。載せてる秋月の中華フィルムコンはそこそこ使える。
スピーカーコネクタは流用。予想通り早速壊れたが修復。VRは短軸を想定。(写真のは長軸)


取り敢えずこの回路で音楽は聞けた。左のTL074は手持ち部品消化用のオマケ。無くても動く。
LとRが逆なのは基板実装の都合。2つ作ってTL074有無の聴き比べができるようにバイパス用のジャンパを入れてみた。


IN-14b使用ニキシー管時計
(2023.11〜2024.1)

昨年GW前にサンエイ電機で入手したロシアのニキシー管IN-2を使って時計を作ったのだが,さすがに文字が小さいのでもう一回り字が大きいIN-14b(これもサンエイ電機で入手)を使って再度作り直してみた。作り直しといっても,前回はマイコンがSeedStudio XIAOだったのをATtiny3216にしてみたりとか,ネオン管をやめてIN-14bのドットをアテにしてみたりとか,コストダウンも色々。

回路はこんな感じ。もっとも,これで組み上げた後にRTCにつけたCUS01がイマイチ(SuperCapが4日持たない)とか150Vでは電流制限時にドットが点灯しないとか色々あったので小変更している。時計で一番重要な計時はエプソンの高精度RTC RX8900をそのまま流用。なので月あたりのズレも数秒だ。ニキシー管はスタティック4桁表示でI/Oが16本必要だが,74HC595を数珠繋ぎでマイコンのSPI出力につけて16本分制御。前回のアクリルケースを流用するために基板サイズを合わせて設計したので,左右ギリギリ。この状態で大量の配線は無理なので,ニキシー管駆動に関しては専用ドライバ(SN74141相当)を使用。ただ,これは毎度思うのだが,基板上の土地さえあればツェナーダイオードとトランジスタアレーでなんとかなりそうなところだ。

IN-14の取り付けは自作ソケットを使用。といっても大袈裟なものではなく,こんな感じの真鍮製のピンを,ニキシー管の足の位置の通りに並べただけ。そのままだと心もたないので,隣接しているピン同士でショートしないようスミチューブで絶縁。ヒートガンが必要で少し面倒臭いが股裂き防止にもなる。接触不良っぽくなったらラジオペンチで少しカシメ。スミチューブが良い働きをして,適度なテンションを保ってくれる。おいらにゃこれで必要十分。自作が無理で専用ソケットがどうしても欲しけりゃウクライナから通販で買えば良い。国内で入手したければ秋葉原の某店舗のオヤジに頼むとコッソリ売ってくれるのだが,このソケットは希少品なので代替手段が無い人に譲るのが粋。(もっとも,それを転売して儲けるような無粋者がいるかもしれんが)


うっかり12時間表示にしたことをこの撮影で気がついてしまったので,あとで24時間表示に修正。


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