香港日記その2


10/2 (木) 3日目

例によって嫁は10時前にならないと起きてこない。その間はやることがないので,今日のプランニング。あんまり観光地を回ってないのだけど,中国のゴールデンウィークのお陰で観光地は激混みっぽいのが難。電脳中心回りも午後からでないと店が開いてそうもないので,午前中は嫁の好きなジャスコ巡り。昼に観光して,夕方から電脳中心回りをするという計画。一昨日空港で買った通用乗車地図(バス案内本)とニラメッコ。

このバス案内本,香港の全ての大小バス(小は路線ミニバス)を記載したスグレモノ。但し日本のソレのように路線図にはなってない。路線図にすると余りにも種類が多すぎて線だらけになってしまうので仕方が無い。普通の縮尺の地図の中のバス停に,そこに停まるバスの系統番号が書いてあるので,その番号と停留所名を覚えておいて,自分が乗りたい場所の近所の停留所に同じ番号があれば,巻末の路線案内で系統番号を調べ,経由地(えらく遠回りになっていないか)と運賃が妥当ならば,そのバスが使えるという寸法。同じ道路を平行して走っていても,系統によって停まる停留所を分けているので,乗りたいバスが同じ道を走っていても乗りたい場所の停留所から乗れるとは限らない。この方法だと停まるべき停留所が遠ければ,前のバスを平気で抜かしていくので,バス渋滞防止には有効だと思う。また,このシステムの延長で,上りと下りで似た場所に停留所が無かったりするので注意。あと,こちらの運賃は前払いで,乗る際に終点までの料金を払うシステムなので,途中の停留所を使う場合,それが長距離路線だったりすると行きと帰りで金額がおもいっきり変わってしまう。これは仕方がないと諦めるか,行きと帰りで乗る系統を替えるとかいう芸当が必要。という訳で,地元の人はともかく,観光客が使うのは少し面倒臭い。でもまぁ,外国人が複雑怪奇ルールのあの神奈中バスを使うことを考えたら百倍マシかもしれない。

巴士
広告の無いスッキリしたこのデザインは好き。

で,嫁を起こした後,昨日夜に調べたホテル近くのバス停からさっそく九龍バス(九巴)に乗り2階の一番前を陣取って黄埔花園のジャスコ(香港では吉之島)へ。黄埔という造船所の跡地に作ったニュータウン。さすが造船所というか,ジャスコの入口は船のカタチをしたビルだった。ららぽーと豊洲もこの位遊びが欲しかったなぁ。で,このジャスコ,九龍地区じゃあ一番大規模らしい。ここで少し香港っぽい雑貨の買い物。ほとんど日本と一緒で,100円ショップならぬ$10ショップもあるのだが(ダイソーの品物をそのまま売っていて笑った),地元御用達の中国っぽいモノも多数。卓球のラケットなんか★から★★★★★★まで1社で6グレード。安いグレードは両面貼りと片面貼りもあって都合10種類くらい,予算に応じて選べるようになっていたのが凄い。例によってアレ買ってコレ買ってとせがまれるが,別に香港で買うメリットがないものばかりなので,妙に安かった韓国製のスポーツウェアを購入。うーん,やっぱりジャスコだ。

黄埔花園   黄埔花園總站
(左) 黄埔花園のジャスコ黄埔店  (右) バスターミナル

月姫
中のゲーセンにはこんな機械も。

バス停   バスが来た
電光掲示板に出発時刻と料金が。これも九巴服務が日日進歩した結果なのか。

黄埔花園を後にして,今度は観光モードに。九巴で尖沙咀まで戻り,海洋城のトイザらスを覗く。トイザらスでは何かクーポンを配っていたのだけど,うーん,こんなの香港人が欲しがるのかしら。といったハロウィングッズのクーポン。まぁ,日本と同じで少しズレているような,さすがトイザらス。

紅磡駅
紅磡駅を経由。駅に辿り着くまでロータリーを凄いスピードでグルグル回る。目が回る。

謎
そのロータリーにあった謎のオブジェ

バス停   バスが来た
(左) 海洋城の前でやってた謎のイベント。  (右) バスの背面は周大福の広告ばかり

次は天星小輪で香港島へ。目的は120周年を迎える山頂電車で登山。乗船前に尖沙咀のバスターミナルでしばらくバスを眺めていたら,来るバスの背面広告(バスの背面にボディペイントしてある広告)がほとんど周大福(香港の企業グループ。本業は多分ジュエリーショップ)なのに驚いた。周大福の関連会社な城巴(CityBus)や新巴(FirstBus)なら当然の話だけど,九巴も周大福ばっかり。景気低迷+ドル安で純金延べ棒でも売れまくっているっているんだろか。日本で純金延べ棒を買っても消費税分は確実に損するのだけど,香港ではどうなのだろう。

久々に乗った天星小輪は大潮+引き潮のタイミングだったので,乗船口の坂道をかなり下って乗船するという体験も。しまった。2等席の方が楽しめたかな。

天星小輪站   引き潮
(左) 中環の遠くなったターミナル。
(右) 大潮+引き潮で,スロープが1階分は下がってる。

フェリーターミナルにあったハーゲンダッツでデザートを頂いて,定番(らしい)15Cのバス停へ。しかしハーゲンダッツ,結構な値段だこと。これで香港でやっていけるのかしら。場所柄,外国人観光客向け?

バスはオープントップもあるそうなのだけど,来たのは啓徳空港時代にエアポートバスだったような平屋の普通のバス。うーん,待っても良かったけどオープントップが来る保証もないところで喧嘩になりそうだったのでまぁいいかと乗車。(後で判ったのだけど,オープントップとコイツの2台で回していたみたい)

15C   トラム駅
(左) バスターミナルにいた新巴15CはPlaxtonの平屋バス。
(右) ピークトラム駅。ビルになっている。

HSBC
HSBC本店ビルもここから良く見える。

山頂電車の駅前に着いたらびっくり。長蛇の列。さすがゴールデンウィーク。まぁでも,電車で山頂に行くのが観光だと考えていたので,仕方なく行列に参加。白人も多かったので人間観察も目的。でもさすがに行列はキツかったのか,嫁がグズりだすことに。なんとかなだめながら,30分程並んだあとに乗車。駅に120周年記念の展示物が色々とあったのだけど,全く見る余裕ナシ。写真撮ってたら絶対に乗り損ないそう。なんだかゴールデンウィークに箱根の登山電車に乗りに行く雰囲気に似てる。あれも箱根湯本で行列作るんだったっけ。で,こちらの電車も箱根に負けじととんでもない坂を登る。なんだか完全に傾いていて(最大27度らしい),イスに座れなかった人たちが懸命に踏ん張っている。高尾山のケーブルカーも相当傾くけど,あれは車内が階段状になっているから楽。この車は何と車内が階段状になっていないので,座れない限り物凄く体力を使う。途中駅に人がいるのを発見。山下りの電車が目当てなのか,山登りのこちらの電車は通過。ケーブルカーなので山下りの電車が駅に着くと山登りのこちらの電車も当然停まる訳で,そうすると30度近い傾斜の中,ただ波打っているだけの床の上で踏ん張ってなければいけない。絶対立席乗車はしたくないなと心に誓ったおいら。

車内
住宅地の中で,これだけ傾く

そんなこんなで,山頂電車も無事に山頂駅に付き,無料の方のテラスから少しだけ展望したあと,駅の向かいのピークギャレリアの中にあったスタバで休憩。

駅構内   リアル
(左) 山頂駅のビル内で何故か香港ディズニーランドのプロモーション
(右) リアル山頂。ここから徒歩30分くらいらしい。

下界
下界。夜は素晴らしいらしいが,GW中にここに来る体力は無い。

この建物も少し見物したかったのだけど,嫁の体力が行列のお陰で限界に近づいてきたので,ピークギャレリアの中にあったバスターミナルから,15系統のバスで下山。このバスは山頂駅までの登山道を,例によって2階建てバスでジェットコースターのように走る路線。先頭の風景が絶対良さそうなので,発車間際のバスを一本見送ってバス停に一番乗り。目的は例によって2階席の一番前を確保すること。で,思惑通り確保完了。

山頂駅ビル   ピークギャレリア
(左) 山頂駅ビルPeak Tower(白)と,山頂広場Peak Galleria(茶) 向かい合わせに建っているが,駅ビルは(わざと?)出口がわかりにくくなっている。
(右) ピークギャレリア内部。この奥がバスターミナル

で,これが結構楽しい。本当にジェットコースターのような路線で,まあよくこれで事故を起こさないなぁと感心する。バスターミナルを出た後,すぐに立体交差があるのだけど,これがヨーロッパ調の古いアーチ橋で,2階建てバスはその中央しか抜けられない。で,中央の周囲にぶつけた跡がいくつもあるという怖い橋。そこを抜けた後,香港島の裏側の香港仔の風景を眺めながら,途中妙なUターンも経由して(路線図にちゃんとある。文輝道。狭いUターン場所では流石に曲がりきれないので,一度切り返しをした。Uターン箇所にあるのは高級マンション。しかしなんでこんな場所を経由するんだろうか),更に坂をジェットコースターのように下りながら,今度はハッピーバレーの競馬場を眺める形で下山。左右の揺れも凄く,さすがに酔う。ほぼ下山したところで途中にある中学校から大量の生徒が乗り込んできて,車内もかなりにぎやかに。ところが皇后大通東の胡忠大厦バス停を超えたら全く動かなくなってしまった。

対岸   山頂道
(左) 尾根の反対側を下るので,香港島の向こう側が見える
(右) 山頂道。ずっとこんな感じの道を大型の二階建てバスでスッ飛ばす。

よく見ると,前の方でスクールバス(トヨタのコースター)が無理に車線変更をしようとしたベンツに突っ込んで,ベンツのドアがへこんでいる交通事故が発生。こいつらが車線を埋めたお陰で図体のデカい2階建てバスは先に進めない。かろうじて横をすり抜けるタクシーや小トラックやミニバス以外,事故現場の手前で立ち往生。おいらの乗ったバスは一番前にいるのだけど,事故が片付かないと進めない状態。確かに交通マナ−は路駐以外は大阪より酷いけど(譲り合いという概念が無いので車線変更も一苦労),文字通り高見の見物とは言え,まさか旅行中に交通事故に遭遇するとは。(取り締まりが厳しいのか,不思議と路駐は見ないのだが)
結局,15分くらい停まった後に警察が来て事故処理し,やっと先に進めるようになった時にはバス酔いも覚めて,おいら的には得をしたのかもしれない。

トヨタのスクールバス vs ベンツ   処理中
(左) 乗用車や小巴士は横をすり抜け可能。でも2階建て巴士はさすがに無理。
(右) ベンツのドアはグシャグシャ。フレームも歪んだっぽい。小巴士には児童が。怖くなかったかな?

交通事故で思わぬ休憩の後,地下鉄で深水埗に移動して鴨寮街を見物。ここは屋台で色々な電気機器や訳わからんモノを売っているところ。香港に来る度に(トランジットで寄っただけというのは除いて)ここで何かお土産を買っているのだけど,今回は不作。うーん,なんかつまらなくなった感じ。もうちょっと歩けば発見がありそうだったのだけど,電脳中心に嫁が行きたがっていたので自粛。

黃金電腦商場、高登電腦中心はお約束。PSPの着せ替えようアルミカバーと,大容量バッテリーと,マイクロSDをほしがっていたのだけど,マイクロSDについてはそう簡単に安いのが見つかるなんてことはない。サンディスクの品物が東京の上海問屋で¥2680,こちらの最安値がかなりの軒数を回って$198だったので,$1=¥14で換算すると微妙に上海問屋の方が安い計算。8Gは上海問屋オリジナルよりもサンディスクの方が安いので,中華パワーも今イチ期待はずれという感じか。

電脳中心三兄弟   旺角
(左) 深水埗の電脳中心三兄弟
(右) 知らぬ間にオシャレなロゴに変わったお陰で見逃した旺角電脳中心。略してですか (笑)。

で,電脳中心巡りの後,定番の信和中心へ。小心地滑のマットを購入。結構よく出来ていてセンスが良い。

そのまま朝行ったジャスコで買い物をし,メシを喰った後にバスで移動。途中で乗り込んで来たオバチャンが大量のトイレットペーパーを持っていたのだけど,おいおい,こんなの持って狭いバスにちゃんと乗れるのかい。と突っ込みたくなるような。このトイレットペーパー,10買2送って書いてある(10個買ったら2個サービスって意味)。無理して10個買ったな。

で,尖沙咀まで出て,定番のハーバービューの後,ホテルに戻って就寝。しかし電光看板,ここ10年位で随分と減ったなぁ。

今日は九龍地区で一番大規模なジャスコに行ったけど,一番大きいのは香港島にあるという話。これがどこにあるのか判らなかったのだけど,通用乗車地図を眺めていたらMTR太古駅前にある店舗だということが判明。なるほど,ここなら簡単に行けるかも。

あと,今日は3回ほど広東語で道を聞かれた。現地人に見えるんだろか。見えるんだろな...

星光大道   ハーバービュー
(左) 星光大道に群がる人々
(右) 一時期に比べ,ネオンも大分減ったような。でもこれを見ないと香港に来た気がしない。



つづく。