香港日記2014 その2


1/3 (金) 2日目

香港に街歩きに来たのは良いが,特に予定は立てていなかったので昨日本屋で買った地元民用の香港ガイドブックをホテルでパラパラとめくってみると,沙田の新城市廣場にスヌーピーの無料テーマパークを発見。そういや以前,ショッピングセンターの屋上にスヌーピーがいると聞いたことがある。所謂ショッピングモールの屋上遊園地なのでわざわざ観光に行くような場所でも無いのだが,平日でそんなに混んではいないだろうし,街歩きには丁度良いかもしれないので出掛けてみることに(何しろ気になる)。ただし沙田までこれを目当てに往復するのでは勿体ないので,ついでに萬佛寺に再訪してみることにした。存在自体がギャグになっている,約一万体の仏像を集めた非常に有り難い寺院だ。前回訪問時は物凄く暑い日で,登山途中でツレが途中でノビてしまったのでリベンジの意味もある。

今回は乗換が面倒なMTRではなく1本で行けるバス(城巴170)で沙田鐵路站まで。途中で海底隧道と獅子山隧道を経由する楽しいバスだ。獅子山隧道からは真っすぐ沙田鐵路站へは向かわず,香港島の裏側からの遠距離バスなのに何故か沙田圍の公共団地を経由するので余計に時間がかかるのだが,それはそれで団地の景色が車窓から楽しめるので嬉しい。

海底隧道

獅子山隧道
(上)海底隧道 (下)獅子山隧道(北行) どちらも有料道路。

洗濯物
トンネルを抜けるとそこは道端に洗濯物を干す風景。これを見ると香港の田舎に来た気がする。

沙角邨冬菇亭
沙角邨冬菇亭。冬菇とはシイタケの意味。昔ながらの団地の屋台レストラン。当局の規制で絶滅危惧種だそうだ。

バスで沙田鐵路站についたところで,早速萬佛寺に向かう。前回何故か沢山あった排頭村のアジ看板も片付けられている。アジ看板は政府が駅から新城市中央廣場までの渡り廊下を作ろうとして,歴史的建造物や風水のクスノキを守ろうとする住民と揉め事になっていたのが理由。結局2012年に中止になったらしい。で,ここで登山の準備。萬佛寺への道はいかにも有り難そうな五百羅漢に見守られたセメントで舗装してある道なのだが,お世辞にも登り易いとは言えない舗装なので,心の準備が必要。心の準備のついでに排頭街の突き当たりにあった,前回撮影し損ねた萬佛寺は別方向と日本語で書かれた看板を撮影しに行こうと思ったのだが,場末だったその場所には線香や仏具を売るテントが出来ていて近づける雰囲気では無かったので諦め。

排頭村
排頭村。かつてアジ看板だらけだった。右上の黒く切れている部分がクスノキ。

萬佛寺への地図
萬佛寺への地図(再掲)。アジ看板は既に無し。日本語看板の場所は仏具屋のテントに。

看板
沙田政府合署側の看板はリニューアルされていた。でも既に色褪せ状態。

看板
物乞い禁止と書いてある。中国語の『乞討』に日本語の『托鉢』が入るのかどうかはわからんが。

説明板
萬佛寺五百羅漢の説明。赤地に金文字はいかにも中国。文字がいくつか消えているのはイタズラ?

ありがたい仏像
ありがたい仏像が続く。

この参道の階段は400段以上あるらしいが,いつの間にか参道の途中には屋根付きの休憩所が何箇所が用意してあって(前回はあまりに暑くて気がつかなかっただけかもしれんが),便利に活用してみた。なにしろ参拝の為にはFRP製の仏像が見つめる中を100m以上も登らないとならないので大変。

ありがたい仏像
ずっと上まで仏像

ありがたい仏像
みんなのアイドル。ブログ人気ナンバーワン(たぶん)の彼。また会えたね。

ありがたい仏像
結構な坂道。

ありがたい仏像
入口のアーチをリニューアル中。左の赤い建物が本殿。

色々なブログに登場する両手を広げたアイドルの仏像を過ぎると,ゴールまではあともう少し。参道を登り切ったところにある入口のアーチをくぐると壁面に南無阿彌陀佛とかかれた本殿。南無阿彌陀佛は広東語だとナムモーオーレイートーファッ。中国の古い読み方を元にした日本のナモアミダブツと似てるようで似てないが,漢字が共通なお陰で意味は日本人のおいらにも通じる。

本殿
左は菜食レストラン。右側が本殿。

本殿
本殿。

さすがに1月は涼しくて,しかも他で歩き疲れる前に来たので今回はツレも本殿まで登頂成功。どこの誰の趣味なんだかよくわからない境内を十分堪能出来た様子。昔のタイガーバームガーデンほどではないが,そういうのが好きな人は楽しめるかもしれない。そういった意味で有名な寺院の中に屯門の妙法寺というのもあるそうなのだが,それはまた次の機会で。

境内
奥の塔は内部に入って登ることが出来る。(途中で目が回ったが)

境内
仏教寺院なのだけど,参拝は道教様式。

ありがたい仏像
本殿の中は撮影禁止だったので外から望遠で狙ってみた。奥に一万体の仏像。

魔法の液
リニューアル道具

ありがたい仏様を堪能して下山後,ここに来た本命のスヌーピーワールドに行くことにする。まずは沙田鐵路站まで戻り,線路の反対側にある新城市廣場へ。かなり巨大なショッピングモールだ。かつてはここにヤオハン改めジャスコがあったらしいが,香港ジャスコ巡りに目覚めた時点で既に撤退していたので,ここに来るのは初めてだ(下にバスターミナルがあるので通ったことならある)。この巨大モールのどこかの屋上に史諾比開心世界という名前でスヌーピーがいる筈だが,例によってフロア構成が香港名物の迷路のようでなかなか見つからない。かなり歩き回って発見した結論は,沙田站から直接通じる3階の通路(日本風に言うと4階)をそのまま奥まで突っ切ると,公道を挟んで別の建物となり,その突き当たりにあるドームの両脇がルーフバルコニーになっていて向かって左側の方がスヌーピーだった。つまり,上に昇るエスカレータは無視して駅からそのまま歩いていけば良いのだ。屋上遊園地はエスカレーターを昇って行くものだという固定観念が招いた遠回り。公道の上も建物が続くのはもう香港では驚かなくなってしまったが,日本の常識は世界の非常識なのだなと改めて悟った次第。ちなみにこのショッピングモールの6階にはエレコム直営店があった。いつの間にか直営で香港進出ですか。

新城市廣場
なんとなくクリスマス。

史諾比開心世界はいきなり屋根の上で寝ている巨大スヌーピーがお出迎えをしてくれる。史諾比でスヌーピーと読むらしい。作品名のピーナッツや作者のシュルツではなく,登場キャラのスヌーピーを冠にもってくるのは知名度の違いだろうか(ちなみにピーナッツは花生漫畫。さすがに花生だけでは食い物と誤解しかねない)。中はこじんまりとした屋上遊園地で,小舟に乗ってグルっと回るアトラクションの他には,スクールバスや学校がある。スヌーピーや仲間たちが沢山おでむかえ。無料のせいもあるが,この中はどこかのディ○ニーラ○ドとは違いハイテンションでいる必要もなく,実は結構な癒し空間だというのは行ってみて初めて気がついた次第。スヌーピー好きにはたまらないと思うし,香港を歩き疲れた身体と心を癒すにもいいかもしれない。まぁでも,夏は暑くてオススメできないし,ついでがない限りわざわざ日本から行くような場所でもないのだが。

おでむかえ
入口の屋根の上にでっかいスヌーピーが。

バス
流石に香港流二階建てバスではなく,アメリカ仕様のスクールバス。

学校
オールスター勢揃いの学校。後ろは舟のアトラクション。

ボート
舟のアトラクションの入口。1周3分くらい。

楽譜
後ろの楽譜はメンデルスゾーンの結婚行進曲。この建物の中は休憩所。

ウロウロし過ぎたお陰で時間は香港人の昼食ゴールデンタイム(1時〜2時)を回ってしまい,平日だというのに高そうな店以外はどこのレストランも結構な人が。香港2日目にして早速昼食難民か。人が多い新城市廣場は出て,隣の沙田廣場へ。ところがここのレストランも結構混んでいる。向いの沙田中心に移動し,まだ入れそうだった奥の美心MXで昼食。美心MXの向いにあったmisocoolという謎の日式レストランも気になったが,これはまた別の機会に。美心MXは例によってレジでもカウンターでも英語が全く通じず,片言広東語を駆使するハメになるのだが,まぁこれも旅の楽しみ。咖喱猪扒と牛扒牛仔腸飯(+粟米汁)をオーダーしてみる。咖喱猪扒は直訳するとカツカレーだがここでそんな日式料理が出てくる筈はなく,カレーソース漬けのカツレツと香港風フライドライスって感じ。もう一つの方の粟米汁は日本で言うところのコーンスープ。牛ステーキとソーセージごはんのコーンスープかけという,どちらもいかにもな香港ファストフード的メニュー。香港はどこでも割と早く料理が出てくるのだが,美心MXのようなファストフードだと更に速く出てくるというか,結構凄いシステムだと思う。

咖喱猪扒

牛扒牛仔腸飯
咖喱猪扒(左)と牛扒牛仔腸飯(右)

メシの後,沙田中心をウロウロしてたらセブンイレブンで艦これを発見。何だとおもったら香港のオタク向け日式アニメ雑誌『ACG-EX 動漫誌』だった。立ち読みするには店が狭過ぎるしツレもいるしたいした価格でもない($12)ので購入。とじこみポスターは,なのは,艦これ,コードギアス,インフィニットストラトス,松井玲奈,シュタインズゲート,Free!って感じ。コードギアスは反叛的魯路修って書いてあってなんのことやら。ルルーシュは魯路修になるのね。たまゆら聖地巡礼は大崎下島を紹介してたけど,さすがに日本語以外通じるとはとても思えないので香港人が行くには難易度高いと思うぞ。誰が書いているのか判らんが,スタッフは日本人と予想。月曜発売らしいので次号も買ってみるか。

106
アニメ・コミック・ゲームの略なんだろか。

散歩の続き。沙田中心から先程のスヌーピーまで戻り,沙田図書館の脇から沙田公園に入る。公園散歩しながら香港文化博物館に向かう目論み。沙田公園はいかにもニュータウンにつくりました的庭園で,なかなか自然豊かないい感じの公園。これでPM2.5スモッグが無ければ言うこと無いんだが冬場の香港はそうもいかず,かといって夏場の香港だと暑くてたまらんだろうというコース。ここの日影廊で太極拳をやっているオバチャンに遭遇。そうそう,こういうのを見たかったのよ。見せ物や集団ダンスではない太極拳を生でみるのは初めてだ。しかしそういうオバチャンを堂々と写真に撮る訳にもいかず。

沙田公園
沙田公園のマップ。左下の20から入って右上の1から出た。

太極拳
太極拳をしているオバチャンをかなり遠目に撮影。赤い屋根(上のマップの13番)の中央奥の人。

香港文化博物館は前回訪香時に行った香港鐵路博物館の系列で,こちらが本家。行ってみると常設展示のうち現代モノが片付けられていて(疲れていたので見つけられなかっただけかもしれんが),ブルースリーの没後40周年特別展示になっていた。なかなか興味深い展示だったが,さすがに燃えよドラゴンか何かを見て予習しておかないと楽しみ半減。何のシーンだったか全然思い出せなかった。ブルースリーの展示だが,2018年まで続けるらしい。余程好きなのね。

この木なんの木
この木なんの木

文化博物館
ロゴはそれなりに格好いい

カフェ
檸檬可楽と鴛鴦

とにかく朝から歩きっぱなしで,おまけに山登りまでしたので博物館で疲れが来てしまう。博物館併設のカフェで疲れを癒した後,中国将棋に熱中するジーサン達を見物しながら川の対岸にあるMTRの車公廟站まで歩いてMTRとバスを乗り継ぎ帰路へ。来る時に乗って来たバスにのればバスだけでも帰れるのだがバス停を探す元気は無し。本当は車公廟に寄って風車を回すコースも考えていたのだけど,また別の機会に。車公廟站からMTRに乗った場合は次の大圍站が終点で,そこで東鐵綫に乗り換えるのだが,東鐵綫は他の路線に乗り換えるのが面倒臭いのが残念。香港島方面なら終点の紅磡まで行ってバスに乗り換えるのが楽。紅磡站は改札の割と近くに海底隧道を経由して香港島へ向かう全てバス停があるので,比較的簡単に乗換が出来る。こういう利便さって日本も見習って欲しいと思う。

中国将棋
中国将棋に熱中するジーサン達。これも香港の風景の一つ。

ドア
請小心月台空隙 (請:〜して下さい,小心:注意,月台:ホーム,空隙:隙間)

ホテルで疲れを癒した後,飯タイムまで少し時間があったので銅鑼灣のイオンと湾仔電脳城に寄ってみる。腹減ったので湾仔298電脳特区と東方188商場はまた今度。晩飯はホテル近くの麺屋で河粉と雲呑と油菜。油菜は注文時に菜心(チョイサム)と注文すると出てくるもの。茎の太さが1.5〜2cmくらいはある葉物野菜。これをサッと油通し(気持ち低温度の油で素揚げ)して軟らかくし,好みの中華スープやオイスターソースをかけて食べる。中国野菜にしてはクセが無く,茎が太い割には油通ししているので軟らかくて美味しい。ビタミン豊富らしいが,果たして恩恵に預かれているのかはよくわからない。

銅鑼灣
銅鑼灣のトラム折り返しループ。道路はここだけ一方通行になっている。

銅鑼灣
クリスマスセールの最中。(既に1月なんだが,それはそれ)

湾仔電脳城
MTR出口の目の前。交通至便。

麺
河粉と雲呑と菜心


なんだか長くなってしまったのでここまで。
つづく。