香港日記2015 その4

5/2 (土) 4日目

最近やたらとテレビの香港特集で出前一丁坊や(香港では清仔)のコスプレをしたレストランという触れ込みで紹介されている店がある。店で出前一丁が食べられると紹介されていたが,香港で出前一丁がどこでも食べられるのは当たり前。番組ディレクターが無知なのか故意なのかはどうでも良いが,店を探すための手がかりにはならない。適当な手掛かりを入れて我らがGoogle先生に聞いてみると,紅磡崇潔街の唐人坊という店らしい。OpenRice(香港版食べログのようなサイト)では泰國菜とある。おいおい,タイ料理店かい。タイ料理店が何故出前一丁コスプレなのかは判らんが,店員の誰かに好きな人がいるのだろうと勝手に想像し,とりあえずどんな所か行ってみることにした。

崇潔街は紅磡と言えど,MTRの駅や黃埔周辺ではなく,どちらかと言えば土瓜灣寄りの北側。この辺りは古い工場ばかりで迷い易いのが難。しかも香港島からだと例によってバスしかなさそう。まず九巴106に乗って北拱街で下車。北側に向かって一つ目の信号を右折。そこから2本目の崇字大廈と書かれた門をくぐるのが後でわかった正解ルートなのだが,間違えて一つ前の崇志街に入ってしまう。建物は工場か集合住宅なんだが,テナント(!?)が金物屋,看板屋,中古車屋,接骨院,自動車修理工場,雑貨屋。味のある店舗ばかりで飽きない。


北拱街。香港島からだと106系統しかない。


崇志街にあったペットショップ


ディープな看板。五金→金物,漆油→ペンキ


今どきの看板屋はLED看板なのか


怪しいキャラもの色々

さすがに間違えているなと気がついて1ブロック隣の道へ。正解の崇潔街はレストラン街だった。しかも車両通行禁止。道路の一部は建物の下。どうりでGoogleのストリートビューで検索できない訳。外にメニューが置いてあったので,何を注文するか考えてみる。日本人にはパッと見,出前一丁のメニューにしか見えないが,メニューを見る限り,ここはOpenRiceの情報通りタイ料理店だった。


やっと見つけた唐人坊咖啡餐廳



入り口は出前一丁グッズだらけ


外に置いてあったメニュー。これだけみると日本人には出前一丁関連っぽく見えるところがミソ。


拡大したところ。泰式○○がメイン。やはりタイ料理店だ。

入り口で人数を告げてテーブルに着き,出前一丁と明記してあるメニューを注文。店員はわざわざ広東語で一丁?と聞いてきたので,一丁と答えたのだが,確認してくるというのは出前一丁以外の麺でもこのメニューを作ってくれるのだろうか。普通の茶餐廳で麺指定の無いメニューを注文すると麺を何にするか聞いてきて,一丁と答えると出前一丁で作ってくれるのだが,ここは出前一丁がウリなのでは。うーん,一見さんだから(しかも外国語話しているし)出前一丁だよね?と再確認したのか,よくわからん。


テーブルまでこの調子。


壁は出前一丁関連ばかり。昼前だけど客は結構いた。


上のメニューのE4とFを頼んでみた。どこが日式なのかわからんが,それなりに美味い。

メシは美味かったので幸せな気持ちで店を出て,次の目的地に向かうことにする。北拱街に戻って九巴11Kで九龍城へ。賈炳達道で下車してKCP九龍城廣場のイオンで一休みした後,中国茶の名店,茗香茶荘へ。店の中に入るや,ものすごくいい匂い。精選鐡観音王を一斤購入。こんなに要らなかったのだけど,半斤と注文するつもりで一斤と言ってしまったのだから仕方が無い。慣れ無い広東語なんか使うものじゃないが,香港の茶は1斤600g=16両という判りにくい単位(1両単位や,100g単位で買えるかは店次第。斤単位なら確実)。ちなみに,茗香茶荘の香六安茶(香港式ブレンド中国茶)は横浜中華街の悟空茶荘でも呑めるらしい。


香港はこの手のだけな日式ラーメン店が結構ある。


北拱街


茗香茶荘

茗香茶荘を後にし,美荷樓生活館に向かう。福佬村道バス停から九巴2Dで石硤尾へ。石硤尾村第23座で下車。そこから歩いて5分位の場所。この系統は香港ではめずらしい単層(平屋)のバス。日中は30分毎。ずっとバスが通過していないことを観察していたのだが,見事に30分待たされた。このバス停は目の前の旺角行き赤小巴(赤ミニバス)の乗り場があり,ここからはかなりの間隔で何台も出てる。バス1本で行こうと思わずにこれに乗って旺角に出て,バスかMTRに乗り換えて深水埗まで行き,そこから歩いて向かった方が早かったな。

美荷樓は石硤尾の古い公共住宅を1棟だけ残して,ユースホステルと記念館(美荷樓生活館)に仕立て上げたもの。なんと昭和29年築。昔の間取りはかなり狭く,世帯向けであるにも関わらず日本のワンルームの方が広い位。風呂なしトイレと台所と洗濯場は共用。なんだか日本の昭和の独身寮みたいだが,その位,当時の住宅事情が切迫していたという話。時代が経つにつれ,前後2部屋をくっつけて少し広いワンルームにしたり,更に隣家とくっつけてみたりトイレを各戸個別にしたりで,末期はそこそこの間取りだったらしい。


小巴乗り場。反対車線にいるバスは2D系統用単層巴士。


石硤尾村第23座を降りたところ。目の前の観光バスは何故かカタカナでクリエイティブ・チャイナ。


美荷樓


奥の人がいるところを進むとユースホステル入り口。右側のドアを入ると生活館。

美荷樓生活館に入ってみると,中から日本語が聞こえる。美荷樓のユースホステルは日本人にも人気なので日本語は不思議ではないのだが,この日本語,展示の解説をしているじゃないの。解説を受けているグループは20代くらいの青年男女。そのままついていけば無料で解説が聞けるが,青年グループが有料で雇ったのだとしたら気の毒なので,少し間を置いて後ろをついていくことにした。それでも周囲に日本語なんてないので解説はよく聞き取れる。これはちょっとだけ得したかも。


昔の様子の模型


休憩できる中庭は有り難い。


売店。グッズショップになっていて,ユースホステル用の生活必需品は何もない。

美荷樓生活館を楽しんだ後,グッズショップで買い物し,中庭で一服。元気が復活したところで深水埗福華街バス停まで歩いていって城巴112でホテルに一旦戻り。疲れているので部屋で少し一服。


新高登電脳廣場は有名な高登電脳中心の1ブロック先。112系統の深水埗福華街はこの近所


鼻炎の秘方があるなら教えて欲しい

夜は華姐清湯腩で 閉店間際だったので相席もなくガラガラ。おやすみなさい。


ここも2回目


麺だけでなく御飯もオーダ可能


上海麺でオーダしてみた。河麺もオーダ可。


おまけ 飴屋的アピタツアー

前回と前々回に全店巡りしたイオン(ジャスコ)の他に,香港の日系スーパーは名古屋のアピタがある。このアピタ,何故か香港ではアピタ,ユニー,ピアゴの3ブランドをフル活用。ユニーなんて日本では消えてしまった看板なので少し懐かしい。そんな理由ではないのだけれど,折角なので全店巡りをしてみることにした。

まずは旗艦店のアピタから。アピタは太古にある。MTRとトラム通りに面しているのはイオンで,アピタは奥のバス通りに面した太古城中心にある。MTRのE出口から進むと,太古城広場の大きな吹き抜けに出る。これをそのまま突っ切って進むと下に降りるエスカレータがあり,そこにアピタの看板があるというもの。案内看板がほとんど無いので,到達は結構面倒臭いかもしれない。


反対側のC出口をでるとイオン。Eから行くと外に出ずに行けるが,実はD出口から道路を渡った方が速い。


太古城中心


突っ切って進むと,こんな感じでアピタの看板がようやく見える。

次に九龍灣のピアゴ。九龍灣站直結の德福廣場の奥の方にあるユニクロの上。德福廣場は1期から3期まであるが,エスカレータから入る長い渡り廊下の先の2期にピアゴはある。ここからはMEGA BOX行きの無料バスが出ているので,そのままイオンにも行ける。


德福廣場はC出口


C出口から行ける德福廣場は1期(Plaza 1)で,ピアゴはそこから長い渡り廊下を渡った2期(Plaza 2)



ピアゴはユニクロの上階

最後に樂富のユニー。ここは以前ジャスコが入っていたビル。ジャスコは一時撤退後,ここからあまり離れていない九龍城廣場に再出店という,だったら撤退しなきゃいいじゃないかと思うのだけど,そこは大人の事情があるのかないのか。ユニーへ行くには樂富站の改札を出て,そのまままっすぐA出口を出る。実は駅を出てからUターンする必要があるのがミソ。しかもこれ,案内が無い(見逃しただけかもしれんが)ので知らないと遠回りしてしまう。だったら反対側に出口を作れば直結できるのだろうが,そこまではしないのがさすが香港。


改札を出たらA出口に向かう。


写真の場所で,左側から右側の坂へ180°ターンするのが正解。(難易度高すぎ)


上の写真の右側の道が,この入口に通じている。


全景


(今日のおみやげ)


郵便ポスト型バッグ


精選鐡観音王

つづく