香港日記2016 その5

5/5 (木) 5日目

今日は歴史散歩の日。前から行きたかった屏山文物徑に行ってみることに。連日の疲れが結構出ているので,歩きもほどほど。ってことで,徒歩最短ルートを調べてみると,坑尾村のバス停までバスで行って,そこからMTRの天水圍へ向かう方向で散歩すると良さそう。坑尾村に行くには天水圍から港鐵巴士K65に乗るか,荃灣から九巴53が使える。急ぐならK65一択で,これならMTRで天水圍まで行けば無料で乗れるが,車窓の景色を楽しむなら53か。ただし,これは九巴の最多バス停路線らしく,たっぷり荃灣から1時間半くらいはかかる。

まずはMTRで荃灣に向かう。ここもそのうちウロウロしてみたい魅力的な場所なのだが,今日はトイレを探しに政府関連ビルをウロウロ。ここの郵便局は風景印があるので,ついでにハガキも投函。結局トイレは駅近くの南豐中心で済ませて,そのビルを抜けた先にある荃灣富華街バス停に向かう。


駅前。地下鉄開通が1982年と古いので,歩道橋も結構年季が。渡った先が南豐中心。


図書館返却ポスト


荃灣富華街バス停。あと何分で来るか画面で教えてくれるハイテク付き。


香港ではめずらしい平屋のバス。乗客は皆無。

バスは荃灣から一般道を屯門まで西へ。屯門からは軽鐡に沿って元朗に向かう。途中,とんでもない田舎を走っているのだが,香港はそのとんでもない田舎にまで高層住宅があるので車窓が面白い。結構長時間乗ってケツが痛くなった頃に目的地に到着。うーん,方向感覚が全くわからん。ここはGPS頼りか。


ようやく着いた坑尾村バス停


反対方面は屋根なし。


私有地なので散策は自己責任でという通告の看板がある。

まずはバス停から一番近い洪聖宮に。1767年築の寺院。洪聖は漁師の神様。次に覲廷書室と,清暑軒へ。中に入ってみたい気持ちはあれど,おもいっきり私有地警告が書いてあるので,玄関をチラ見するだけに。覲廷書室の斜め向かいにはそれっぽいコスプレをしたトイレが。そこを抜けると駐車場として使われているちょっとした広場に出る。


洪聖宮(1767年築)


謎のスターバックス


覲廷書室(奥:1870年築)と清暑軒(手前:1874年築)。


公衆便所もここではコスプレ中。


観光地ではあるけれども,普通に住宅地なので普通に洗濯物が。

広場の奥に見えたのは鄧氏宗祠と愈喬二公祠。ここのメインディッシュ。近づいてみると例によって私有地警告がある。そりゃここは西暦1200年代から鄧氏の私邸であるわけだけど,今は観光地。政府に寄贈とか買い上げとかすればというのは相続税がメチャ高い日本の発想なんだろうか。広場の角には露天の土産物屋がある。ここで何か買えば中に入らせてもらえるかもしれないが,そこまでの興味もないのでスルーして次へ。


鄧氏宗祠(左:1273年築)と愈喬二公祠(右:16世紀築)。


私有地警告

更に奥へ進む途中にあった華嫂氷室には同じバスに乗っていた夫婦の姿も。ここは休憩にはちょうどいいね。混んでたけど。その先はMTRの駅や駅前の団地が見えてくる中で,昔ながらの生活をしている城壁村の上璋圍。ここは以前行った吉慶圍のように入口のオバチャンにお金を渡せば中が散策できるシステムではなく,完全な私有地なので中には入れず。まぁ仕方がない。


屏山文物徑のオアシス,華嫂氷室。


屏山楊侯古廟。3つの部屋にはそれぞれ1つづつ神様がいらっしゃるらしい。


古井戸の鯉


上璋圍。200年前に作られたと言われる城壁村。


日本人がここに来たら写真を撮るお約束の千葉

散歩で結構歩いたら腹が減ったので,天水圍から軽鐡で銀座に向かい,置富嘉湖をウロウロ。ここは以前,嘉湖銀座と呼ばれていた所。ビルの名前が変わって,ショッピングセンターについていた有樂町や日比谷の名前は消えてしまったが,駅名は銀座のままなのがなんだか嬉しい。中でみつけた一粥麵で昼食。大家樂がやっているチェーンの粥屋らしい。


香茜鯰魚粥を注文。

メシのあと,新古本バーゲン会場になっていたテナントがあったので覗き見。ちょいと覗き見のつもりが1時間以上いたような気も。軽鐡とMTRで次の目的地の石硤尾駅へ。新旧混沌の団地を抜け,古い工業ビルを改装した賽馬會創意藝術中心に向かう。ここは美術系アーチストが競馬の収益金で好き勝手やっている場所というか,安く借りられる常設画廊というか,年中文化祭をやっている美大というか,なんだかわからない所。入ってみると,湿気に混ざってプーンと油絵具の匂いが。ペンキでないだけマシか。


石硤尾の団地。新旧混沌。新しい高層住宅もあるが,昭和40年代築のような建物もある。


賽馬會創意藝術中心


香港街頭文化館。G.O.Dのオーナーが集めた香港アンティークコレクション展示室。要予約。


テナント一覧

ここからバスでホテルに戻る途中,成り行きでSOGOのデパ地下にあった大阪のモンシェールのケーキを買って帰ることに。疲れを癒した後,銅鑼灣の何洪記粥麺専家に向かう。今や高級商業ビルの12階レストランへと大出世。ミシュランの一つ星まで貰っている行列店。さすがに10時頃に行ったので行列は無し。おいしくいただきました。そういやこの店,香港国際空港の到着ロビーに支店を出しているらしい。気がつかなかった。


ハイサンプレイスの12階にある。入口の電光掲示は待ち人数の数字。


ワンタン麺 (撈麺)


絶品のお粥

つづく