今朝はさすがに何もトラブルが無く始まる。昨日買った朝食用のサンドウィッチはOK便利店の店員が言う通り,イマイチだった。パンがパサパサ。まぁでもこれも旅の醍醐味?
ジャスコツアーも終了したので,今日からは普通に観光する日々。ペースを上げる必要もないので,残体力を比較しながらゆっくり。最初の目的地は郵便局。ツレが郵便マニア故,中環の郵政総局へ。いわゆる郵趣がここではスーベニアショップとなっていて,大量にグッズを販売しているらしい。さすが香港商人。こういう所は抜け目無い。グッズも既存のものにキャラクターを貼付けた簡素なモノではなく,しっかり作っているところがミソ。ティッシュカバーは郵便トラックを模していたり,ポストを模したブックエンドやメモスタンド,陶製のカードホルダー,名前入りの雨傘なんかもあった。円高の今だからというのもあるが,かなり購入しやすい金額なのが好印象。キャラクタ物もそこそこ可愛い。
郵政総局全景。
1階窓口の隣は郵展廊。ちょっとした歴史紹介ギャラリーがある。東京のていぱーくのような感じ。
(左) グッズショップ。結構楽しめる。
(右) グッズショップの前で子供をあやすフィリピン人メイド。
香港島の壁画。なんと切手で描いてある。右奥にあるのがギネスブック認定証。
長居している間に昼になってしまったので,グッズの買い物を済ませて昼飯を物色。美味そうなサラダ屋を見つけたが,何とメニューはサラダのみで,外賣(オイマイ=テイクアウト)専門店。サラダだけ外賣しても仕方なし。荷物(グッズ)が重く早く済ませようと思っていたところに吉野家の看板発見。これは丁度いいと向かっていたら,横丁の奥にフィリピンのJollibeeを発見。中環のユーロトレードセンター内だ。何万人もいると言われているフィリピン人メイドが日曜に集まるのがこのあたり一帯なので,需要はありそう。これは是非行かなくては。
(左) 見逃すような横町に看板が出ている。
(右) 正面から見れば目立つのだが。
このJollibee,母国フィリピンではマクドナルドよりも有名で,調べてみたら香港の他に,ブルネイ,ベトナム,カタール,サウジアラビア,そしてアメリカ(カルフォルニア,ネバダ,ニューヨーク,ワシントン,ハワイ)にあるらしい。香港でフィリピン物と言えばビールの香港サンミゲル(味は本家と違うのだけど)だが,フィリピン人メイドの勢いでJollibeeも流行るだろうか。流行ったら面白いんだろうな。で,早速注文。普通のバーガーセットと,パスタを注文。店員さんはおそらくフィリピン人。お互い外国人のお陰か,ここでは片言の広東語が良く通じて嬉しい。
(左) フィリピン女子御用達。
(右) Champという名のハンバーガー。結構イケる。
パスタはフィリピン人にとってソウルフードだそうだが,ここは香港。アルデンテなどという言葉は無い街(一昨日入ったサイゼリヤはマトモだったが)。茹で過ぎのソフト麺のようなモノが出てくると想像。 出てきたモノは予想通り。昔のエコノミークラス機内食のようなメニューの写真とは似ても似つかないシロモノだが,注文主はマトモなモノが出てくるとガッカリする人達なので無問題。味は一昔前の学食パスタのような感じ。ママーのソフト麺を軽く湯通しして,添付のミートソースをかけるとこんな感じか。しかし本場フィリピンのJollibeeでもこのパスタが出てくるのだろうか。これは是非行ってみたいと思うぞ。バーガーの方は結構マトモな味で,ロッテリアに近い。ポテトは一昔前のロッテリアそのまんま。これに酸味の効いた少し甘いケチャップをつけて食べる。これはこれで美味い。次に香港来る時もフィリピン女子に占領される土日でなければ寄りたい感じ。また来よう。そうしよう。
満腹でご機嫌になったところで,スターフェリーの桟橋へ向かう。少し前まで郵政総局の目の前にあったのに,前回香港訪問時には既に遠くの埋立地へ。新しいターミナルはバスターミナル併設なのでバスで移動するには便利だけど,徒歩だとかなり遠くなったイメージ有。そいやチムの方の桟橋も移転予定で反対運動が起きているのだとか。どうなることやら。 桟橋へ向かう途中,ifcモールの壁にAppleStoreの看板を発見。あれ,香港にAppleStoreなんてあったっけな。まぁ,折角看板があるのだから,覚えていたら後日覗いてみることにしよう。
スターフェリーは海の匂いを感じられる2等席へ。海の匂いと一緒にディーゼルエンジンの匂いも感じられるオマケ付き。こちらは昨日乗った地元路線のフェリーとは異なり,観光客もかなりの数。チムについた後,少しの間だけ土産物屋街を観察。しかしこの建物も取り壊し予定だと言うのだけど,これこそ観光資源ですよ。このゴチャゴチャ感が香港の醍醐味。たとえトイレが鬼のように汚くてもね。
ビクトリアパークにあった魚の形の中秋節用巨大ランタンは李錦記がスポンサーらしい。
今回の目的地。九巴顧客服務中心。
ここでの目的は九巴(九龍バス)のサービスセンター(九巴顧客服務中心)。小さな小屋。ここはグッズショップになっている。オリジナルグッズやバス模型を販売。香港は鉄道よりもバスが普及していた影響か,歴史的に鉄道ファンよりもバスファンの方が多いらしい。バス路線が廃線になる日はこぞって乗りに行ったり写真を撮りに行ったりするのだと言う。YouTubeに上がっているバス路線最終日最終バスの映像なんかを見ていると,何をしゃべっているのかはよく判らんのだが楽しそうだ。ここで巴士仔のグッズを買う。巴士仔は東京のみんくるや横浜のはまりんのようなモノで,九巴の(新しめの)バスに乗ればそこら中に印刷してある。一目ではなんだか判らないが,バスだと思えばなかなか可愛い。
買い物が終わったところでバス8Aで紅磡站に移動し,東鐵綫で沙田站へ向かう。アルミ製で見かけは新しいが,日本では最近あまり聞かなくなった懐かしいモーター音を立てる電車だった。ここはいかにも鉄道線と言った感じで,日本に帰ってきた感じである。地下鉄出身のMTRとはひと味違う。香港の鉄道や道路は日本と同じ左側通行。これも日本っぽく見える理由かもしれない。(そいやカーズ2で主人公一行がイギリスに行ったとき,クルマが反対車線を走っているよーというギャグがあったっけ)
紅磡站改札
沙田站ではB出口を出て,駅前のバスターミナルの左側を抜けて沙田政府合署方面に出る。目的は萬佛寺。約一万体の仏像を集めた非常に有り難い寺院だ。物には限度というものがあって,存在自体がギャグになっている感も否めないし,ここに来る日本人はサブカル好きかキワモノ好きが多いとは思うのだが,それはそれ。有り難いお寺さんである。駅から来ると合同庁舎の前を右に曲がるのが正解で,そのまま直進すると立派なエスカレーター付きの別の寺院になる。さらにその別の寺院の左脇を進もうとすると,ご丁寧に萬佛寺はこっちじゃないよと書いた看板がある。しかも一番下に日本語で正確な道は周囲の人に聞けと書いてある。余程迷ってくる日本人が多いのだろうか。
Google検索でこのページにたどり着いた奇特な人の為に,簡単な地図を載せておこうと思う。この通り進めば2011年現在であれば行ける。(将来はわからん)
萬佛寺への地図。上が東鐵綫羅湖方面。
ここまで辿り着けばOK。
そんなこんなで萬佛寺の麓につく。駅からチラっと見えるのだが,かなりの高さだ。しかもバスやタクシーでのショートカットは不可。はじめにこの高さを知っていれば午後の一番暑い時間帯は避けたのに。香港恐るべし。
早速,有り難い仏像を拝みながら階段を登る。段数は数えてないが,メタボ中年が背中に重荷を背負って,真夏の午後に行く場所では無い。沙田站のセブンイレブンでアクエリアスを買ってなければ確実に脱水症状を起こしたと思う。仏像は一つ一つ全て表情が違う。プレートはついていたりいなかったり。通し番号のようなモノがついているが,台座の番号と仏像の番号が違っていたり,結構いい加減で楽しい。中文判のWikipediaには大約需步行15分鐘至30分鐘とあるが,元気があれば大体そんな感じである。この参道に約500体あるらしく気に入った仏像の写真を撮りながらだと途方もなく時間がかかるが,それはそれで楽しい。ぜひとも時間に余裕を持って訪れたい場所だと思う。
境内と本堂
本堂の中は数えきれない程の仏像。
元気そうな白人に抜かされたり,線香を持った香港人に抜かされたりで一通り登り詰めると本殿がある。中は壁一面が仏像。 それは有り難そうだ。旅の無事を祈ったあと,休憩処で水を買って下山。アクエリアスは3/4程登った場所でカラになってしまったし,それ以上に汗が出ている気がする。ツレは完全にのびてしまった。うーん,沙田にいるので香港文化博物館とか寄りたかったけど,時間も魔の15時過ぎだし,背中に大量のグッズを背負って歩きっぱなしはキツい。ホテルに帰って一休みかな。
沙田政府合署まで戻り,沙田中央郵政局にてハガキ投函。ここで風景印専用ポストを発見。そんなモノがあるのねと感心。そして外を見ていたら変な広告トラック発見。頭が良くなる飲料らしい(そいや前回香港訪問時にも見つけたような)。アインシュタインのE=MC2は良いとして,π≒22/7は整数演算しか出来ない環境でπを概算するときに便利(直径を22倍して7で割れば整数演算機でも円周が概算できる)。どこぞの教員組合が自分達の勝手な思想を子供に押しつけた"ゆとり教育"のπ≒3よりずっと実用性が高い。トラックの広告に感心しながら,向かいの新城市中央廣場のショッピングセンター内の売り物のソファーで一休みした後,帰路へ。帰りはダイレクトに帰れるバスは無いので,東鐵綫を九龍塘まで,觀塘綫を旺角まで,荃灣綫,港島綫とややこしい乗り換えをしてホテルに戻ることに。
(左) 風景印用郵便ポスト。ここに投函すると風景印で届く。大埔郵政局でも見つけた。
(右) この小心地滑は尻が痛そうだ。
頭がよくなりそうな飲料水。
夜は一度くらいチャレンジしてみたい吉野家の中華メニュー。レトルトかと思ったら,調理人がその場で中華包丁でトントンやっているというモノ。これはびっくり。そのまま西港城の80Mへ。 ここはバス模型専門店で,以前からトラムもダイキャスト製ならあったのだが,今年春くらいに発売された実際に稼働するモデルも扱い始めたようだ。ディスプレイの中に線路を引いて,なんだか本格的である。ツレがトイレに行っている間に見物。 $600くらいで売られていたトラムが気になったが,今日のグッズ類がどのくらい荷物を圧迫しているか明確になった頃に覚えていたら買いに行くことにする(つもりで忘れていて,結局帰国後に80Mに通販で注文したのは内緒)。結局購入したのは80M特製のエコバッグ。なかなかいい感じ。
実際に動くトラムの模型。縮尺1/76
80M特製エコバッグ
そのまま尖沙咀に向かい,星光大道からシンフォニーオブライツを鑑賞。いかにも中国的なセンスが好き。大喧嘩しているカップルを観察して,星光大道をまっすぐ尖沙咀東海濱平台花園に抜ける。ここはバスターミナルにフタをして出来た公園。スターフェリーの尖沙咀側桟橋がここに引っ越すという噂が以前あったが,その後どうなったんだろうか。
お約束の風景。流石にiPhoneでは撮影困難なのでカメラを出したが,夜に弱いSIGMA DP2sだとこれが限界。
ここからMTRに乗っても駅の中を歩き回されるだけで遠いので,バスで一度紅磡站に移動し(今日2回目の紅磡),駅に直結している海底隧道バス停からホテルへ直帰。最小の歩数でなんとかしようと考えてしまうあたり,頭が香港人化してきたのかもしれない。香港に来てから既にかなり歩いているが,ツレの足裏マッサージで気持ちよく就寝。有り難や。
さすがに5日目となると一日くらい天気が悪くても良いと思うのだが,今日も暑くなりそうである。昨日尖東のA-1 BAKERYで買ったパンも美味い。どんな店かと帰国後調べてみたら,何と元は大阪のパン屋。納得。
今日は少しだけ遠出の日。九巴の307で大埔の廣福道まで。バス代の安い香港で$21.2も取るというだけあって長距離路線。大埔の人が直接香港島側に乗り換えなしで出られるのがメリット。バスは4号幹線(東區走廊)を経由する。この高速道路は土地の無い香港島故,海の上にはみ出している。まるで西湘バイパスだがヴィクトリア湾は内海なので台風がきても余程でない限り高潮破損の影響は少なそう。この307系統は天后站近くの興發街バス停からすぐに東區走廊に入り,北角付近から東區海底隧道,旧啓徳空港の滑走路とMegaBoxを遠目に見ながら2号幹線で大老山隧道を抜ける。さらに9号幹線に入って吐露港の海沿いを走る。この辺の景色はここが香港であることを忘れそうな場所。やっぱり2階建てバスの2階先頭は特等席だ(運転が荒くなければ)。大埔の市街地が見えてくると景色は一転。いつもの香港に戻る。
(左) 東區走廊の北角付近。右奥に見えるのが9/5に寄った北角のフェリー桟橋。この辺は海の上に道路がある。
(右) MegaBoxも2号幹線からよく見える。
廣福道のバス停は大埔の旧市街地。バスはこの先のニュータウンまで足を伸ばして折り返し。少し街中を散策してみると,古い公共住宅(っぽい建物)に四角く囲まれた公園がある。公共住宅の1階は店舗。日本でも昭和40年代に建てられた低層住宅の団地によくある光景だが,日本のお役所的計画的開発なソレとは違い,一見カオスに見えるが決してシャッター街ではないところに香港のパワーを感じる。歩き回ると気のパワーを貰えるのは賑わいのお陰。カタコトの広東語でツレにエッグタルトを買い,しばらく散策。ここの商店街も見ていて飽きない。
(左) 自動車教習所の広告看板。香港で初めて見た。
(右) こちらではスラーピーが健在。ガンダムフェアをやってた。
団地に囲まれた公園。人通りも多く賑わっているのが羨ましいのだが,この写真は偶々誰も写ってない大失敗作。
あまり長居すると疲れてしまうので,次の目的地である香港鐵路博物館に向かう。旧市街から徒歩数分の場所だ。ここは大埔站が電化で引っ越した際の旧駅舎をそのまま博物館にしている。新しい駅は市街地から外れた些か強引な場所にあり,そこには新しい団地もあることから,棲み分けが出来ているのかもしれない。旧駅舎に入ると入口にヒマそうなオバチャンが座っている。学芸員さんだろうか。入場料は特に無いらしい。展示室は香港の鉄道の歴史や過去に廃止になった軽便鉄道,そして現在のMTRを紹介している。もう一つの展示室は世界の鉄道の大型模型,現役だった頃に復元した駅事務室,転轍テコの展示。今でも動きそうな位リアルだ。外に出ると,線路の砂利の上が通路になっている。さすが鐵路博物館。この発想は無かった。
電化するまで現役だったディーゼル機関車や,廃線になった沙頭角へ向かう軽便鉄道で使われていた蒸気機関車,そして以前使われていた客車が展示されていた。客車は中に入れるようになっている。勿論冷房なんてモノは無いが,アト付けで扇風機が設置されていて意外に涼しい。ここにも暇そうな学芸員さんがオシャベリしてた。旧駅舎へ戻り,最初のオバサンに絵葉書を売って欲しいと話すと,携帯電話を取り出して何やら会話。事務所の小姐はランチタイムだから少し待ってと言う。もうそんな時間か。事務所は蒸気機関車の奥。近づくと小姐が手招きしている。絵葉書と,昔の香港のヒーローマンガを綴じた冊子を購入。この冊子は香港文化博物館のモノかな。
鉄路博物館を後にし,太和站へ。何故か秋葉原という看板を見つける。残念ながらシャッターが閉っていて何の店だかわからない。旧市街と新市街との間には川があるのだが,この川の上にかかっている歩道橋,どれも凝った造りで,何と屋根とベンチ付きである。屋根の下で直射日光を避けながら,川に沿って吹いてくる風を受けて休憩が出来るというスグレモノ。さすが風水の土地。日本にも欲しい。
何故か秋葉原。
そして川の向こう側に大埔政府合署を発見。例によって郵政局があった。ここも風景印専用ポストがある。そして中環の郵政総局には置いていなかったポストマンのフィギュアをツレが抜け目無く発見。早速購入。一期一会。
ダイキャスト製。結構リアルな感じ。左から大昔,返還前,返還後。
太和站からは九巴64Kで錦田方面へ。大埔から錦田へ向かう峠越えの林錦公路を経由する。およそ香港とは思えない田舎道を2階建てバスで揺られるのも中々良い。15分程待って来たのがデニスの短胴オンボロバス。それも2階席が2+3の5列タイプである。絶滅危惧種の骨董品なので乗れるチャンスがあったこと自体は有り難いが,これで峠を越えると高確率で窓に頭をぶつけそうなので一番前は遠慮。観光客のいない地元路線だけあって,さすがに誰も一番前には座らない。このバスの沿線は香港の原風景が残っている,山に挟まれた林錦公路をひたすら走り,峠を越えた場所が上村球場。そこから錦上路に入り,畑や戸建ての住宅街を抜ける。周囲に何もなくなった所でMTRの錦上路站。ここは周囲をこれから開発するつもりなのか,ほとんど何も無い所に駅を設置。駅前ロータリーを寄り道した後,錦上路に戻って祠堂村というバス停で下車。例によってLED表示も放送も無いボロバスなので降りるだけでも必死である。
(左) 太和廣場のバス停は2階建てバスだと頭をぶつけてしまう場所がある。その為の注意標識。
(右) ボロバスで左右に振られながら峠越え。
周囲は香港式の戸建てが並ぶ長閑な住宅街。目的地は吉慶圍。城壁に囲まれた住居。そこに至るのに例のiPhoneアプリでは64Kに乗ってここで降りろとの指定なのだけど,目的地は全く見えない。もっとも第一候補で出してきたのは64Kではなく64Pというバスであり,こちらは吉慶圍の前を通る。ところがこのバス,何と1日2本。乗れればベストなんだろうが使えないルートを最優先で出すところは作りが甘いのか,わざとそうしているのか。 ここで困ったときに頼りになるのがiPhoneの地図機能(GooleMap)。周囲をビルに囲まれていなければ,GPSと内蔵コンパスで現在位置をほぼ当ててくれる。目的地まではあと徒歩数分の距離。しかし道が見えない。暑さとバス酔いでバテている状態で地図の通り歩けるのだか不安になってきたところで,資材置き場っぽい場所と宅地の間に未舗装の抜け道を発見。テラスハウスの庭先のような道なので周囲に立入禁止の表記が無いことを確認しながら早速その道に入ってみると,見つけましたよ吉慶圍。まったくGoogleMap様々である。
(左) 祠堂村。錦上路站から徒歩圏内だが雰囲気は名前の通り村だ。
(右) この未舗装の抜け道を進む。右の壁に貼ってあるのは周辺の不動産広告。
抜け道を少し進むと古風な城壁が急に目の前に現れる。手前の小姐はバケツでゴミ捨て。
吉慶圍の入口。手前は埋め立てられ駐車場になった濠。
この吉慶圍だが,英領時代はエスニックな雰囲気がウケて団体バスがよく来ていたのだとか。ここと,70年代まで何も無い農村だった深圳が見える落馬州展望台を周るコースが人気だったらしい。展望台は今では深圳の近代的なビルと香港の田舎臭い海老養殖場しか見えないし,エスニック需要は返還前後の時期に中国本土への旅行がほぼ解禁されて本土へ行ってしまったので今でも観光スポットかどうかは謎。でも香港の昔と今を繋ぐ興味深い場所であることは確か。入口で井戸端会議中の老婆以外は誰もいなかったけどね。
外に出て表通り(錦田公路)へ出ると,先程の吉慶圍の案内看板があった。香港の観光スポットにはどこにでもある看板なのだが,こんな所にもあるとは。そしてよく見てみると,中国語と英語の下に,何と日本語の案内もある。人気の高い観光スポットだそうだ。
この看板は香港のあちこちにあるのだが,まさかここにもあるとは思わなかった。
カムティンのカットヒンワイ
カムティンの鄧一族は、11世紀中頃にここに移り住んできた古い氏族です。12世紀には一族のひとりが宋の皇女と結婚しました。一族は裕福になり、カムティンの6つの村に住んでいました。その約半分は盗賊の攻撃を防ぐように設計された城壁村で、中でも保存状態が最も良いのがカットヒンワイ(吉慶圍)です。1725年に大幅に修復されたものの、1650年頃に完成した従来の城壁が今も残っています。新界地区には約50の城壁村がありますが、吉慶圍ほど保存状態が良く、しかも濠が残っているのはほとんどありません。村へは強靭な鉄製の門から入ります。このような門は新界地区にわずか12ほどしか残っていません。カムティン地区のこのような優れた古い建築物は修復され、人気の高い観光スポットとなっています。
しかしこの案内,なんだか日本語が微妙に変だ。よく見てみたら,日本語の上にある英語の案内をそのまま訳したような感じ。中国語からの訳ではなく,英語からの訳だ。どうりで違和感ある筈だ。他にも調べてみると鉄門事件というのがあったらしい。新界が英国領になる時,それを嫌った一部の住民が英国軍と戦うことになった。強さの違いは歴然で相手になる訳が無いのだが,最後はここ吉慶圍に集合して入口の鉄門を堅く閉め,立て籠って抵抗したらしい。英国軍も容赦ないもので,城壁の外から大砲で攻撃。死傷者多数を出す悲劇に。この事件をネタにした映画もあるそうだ。
吉慶圍を後にし,まだ時間に多少余裕があったのでタクシーを捕まえて錦田樹屋に向かってもよかったが,今日は散策が多かったので歩数が多くツレの体力電池がここで切れてしまったようだ。錦田樹屋の帰りはタクシーは望み薄で,公共交通機関は酔う緑ミニバスのみ。これは短時間でも体調次第では結構キツいし,これ以上移動して明日寝込まれても困るので打ち止め。バスで荃灣站に移動しホテルへ戻ることに。折角なのでiPhoneの万能乗換案内は使わず,バス停の表示を見ながらどのバスが適当か選択してみる。九巴51系統は本数もあるがバス停の数が異様に多い。これは在来線の峠越えバスと予想。となると錦田から荃灣に向かう峠はかなり風光明媚な場所を通る筈なのだが,体力不足の時にコレにのって酔いまくるのも怖い。素直に高速道路経由の九巴251M系統を選択。丁度いったばっかりだったのかかなり待ったが,さすが高速道路経由だけあって乗ったら割とすぐ荃灣站についた。ここからMTRで戻って夕方丁度いい位の時間に。
今日の晩ご飯は餃子屋へ。香港や台湾で見られるスタイルの水餃子。北京のようにスープに浸っているのではなく,小さな餃子が皿に盛って出てくる。街中の普通の店なのに,これが結構美味しい。
お手頃で結構美味い。
夜はジャスコツアーで行かなかった尖沙咀のMaxValu Primeへ。ついでに重慶大廈に寄ってスーツケースを物色。ツレの荷物がどう考えても持って来たバッグには入りそうもなくなってきたので,スーツケースを追加することに。香港→日本の片道分だけでも維持できる安物で充分。とりあえず見るだけ見てみたがイマイチなのでそのまま彌敦道を北上してMaxValu Primeへ。なんだかオシャレなビルの地下に今年開店したジャスコ系列の高級スーパーだ。行ってみるとなるほど,高級っぽい。高級と言っても紀伊国屋や成城石井のソレとは違い,なんとなくいかりスーパーの香りがする。確かにこの地では関西系の方がウケる気はするんだが,果たして高級スーパーというジャンルが根付くんだろうか。とりあえず便利な場所なので,香港に来たときは毎回様子を見に寄って見ようと思う。ここにテナントで山崎麵包が入っていたので明日の朝食用に確保。山崎パンは香港では職人が少量生産する高級パンなのだが(日本と同じ量産品も少しある),期待を裏切らない安心の味である。
ジャスコの高級スーパー。家賃の高い尖沙咀で商売になるのなら大したモノ。
スーツケースを買わないと帰れないので,そのまま佐敦まで歩いて廟街のカバン屋に。ここで値切って$220の品物を購入。$200〜$210位までなら値切れたかもしれないが,体力も残って無いので打ち止め。ここで百円や二百円ケチったところで仕方が無い。車輪もしっかりしているし,ハンドルもしっかりしたアルミ製なので¥2200だと思えば安い買い物である。
ついでにホテルの近所にあった微妙なキャラのガチャガチャを試してみる。何のキャラか判らなかったのだが,Angry Birdsって書いてあるぬいぐるみ。この旅行記を書くのに調べてみたら去年iPhoneで世界的に流行ったフィンランドのゲームで,ポケモンのようにメディアミックスされているらしい。日本では流行らなかったそうだ。やっぱり日本にいると知らないことも多いんだなぁと実感。¥85だったので早速ダウンロードしてプレイしてみる。ガチャガチャより安いぞ。これは結構面白い。ハマる。ゲームやってるとこの日記が先に進まない。おまけにこのぬいぐるみ,微妙に可愛いので持ち歩いていたら写真を撮る前になくしてしまった。うーん。