6日もいると香港の生活には慣れるもので,とりあえず衣食住くらいはなんとかなりそうな感じ。帰国に備えて洗濯物の片付け。前に行った洗衣店に寄り,洗濯物を全部片付けることに。今度は10ポンドだった。3時間で出来るらしい。前の店員さんは英語で普通に会話が出来たが,今日の店員さんは英語イマイチ。例によって片言広東語での会話。ドライクリーニングは不要でシャツのみだよというのを何とか伝える。英語だとWashing onlyと一言言えば通じるのに,広東語の勉強が足りなかったか。
一日中ウロウロするのも今日が最後。一週間なんてあっという間。そう思うと行き残した所は無いか,色々と心配になってくる。そういや今回はまだ山頂からのジェットコースター(バスのこと)に乗ってなかった。あれは帰りに乗らないとジェットコースターにはならないので,行きは山頂纜車で。まずは中環に出る。旧フェリー桟橋に近い場所に大會堂というバス停があってそこから新巴の15Cに乗れる筈なのだが,これが大失敗。iPhoneの例のアプリで指定されたJ3出口は中環站の端にあるので,地下道を延々と歩いた挙げ句,地上に出てバス停を発見するも,その道路(干諾道中)を渡る横断歩道や歩道橋が無い。更に遠回りをして歩道橋を渡ることに。正解は郵政総局へ向かうデッキで干諾道中を渡ってから大會堂に向かうルートのようだが,ここまでするなら金鐘站から直接花園道站へ向かっても変わらない。運輸省のiPhoneアプリは直線距離で近いことを示していても,横断歩道や歩道橋や地下道は考慮してくれないのね。納得。
そんなこんなで新巴の15Cに乗り,山頂纜車の花園道站へ。結構無駄に歩いてしまったが,ツレはそのお陰で郵便車や郵便局員を沢山見れたのでご機嫌のようだ。15Cはオープントップバスが来るのだけど乗った試しがない。今日も来たのは普通のバス。通用乘車地圖(香港のバス路線案内本)によると故障や整備などが無い場合,1台がオープントップで1台が普通のバスらしい。残念。
花園道站は前に来たときは大変な行列だったが,今日はガラガラ。山頂纜車で景色が見えるのは山頂に向かって右側だけなので,右側席を確保。電車は動き出すと10分くらいで山頂に着く。ケーブルカーなんで当たり前なんだが,約30度の坂をグイグイと登るところが面白い。山頂站につくとそのまま凌霄閣(ピークタワー)という建物の中に入る。この建物はわざと出口をわかりにくく作っているのではないかと勘ぐりたくなるような構造。駅から最初のエスカレーターまでは京都タワーのような土産物店が並んでいる。香港広しと言えど所謂京都タワーや浅草仲見世のようなベタな土産物はここと尖沙咀のスターフェリー乗り場くらいしか無いので,ベタなお土産を買うならココ。ツレも自分用のベタなお土産をいくつか買う。英語で会話したら普通に日本語で袋要りますか?と返ってきたのは流石観光地。周囲に配るお土産用に袋を沢山貰って行く日本人が多いのだと予想。これは日本の文化なのね。お土産もそこそこに展望を。この凌霄閣の展望台は有料なのだが,一番上にまで上がらなくても展望は可能。ついでにバーガーキングでメシ。ここのバーガーキングは前から一度入ってみたかった。野望達成。
次に,マトモな展望台ということで無料の獅子亭展望台へ。ここで景色を堪能。露店の土産物店があるのは観光地な証拠。この露店はチープさが見ていて楽しいので一見の価値有り。隣は怪しい絵を売っている露天商。獅子亭って何のことかとおもったら,ライオンズクラブのことなのね。納得。
お約束。
帰りも山頂纜車だと芸がないので,山頂廣場の真下にあるバス停から15系統のバスで下山。例によってジェットコースターなんだが,今回は運転が上手かったのか車両が良かったのか,思った程は酔わなかった。ツレはアネロンを飲んでいるので完璧。おいらは少し酔って足元が少しフラフラ。やはりアネロンのパワーは凄い。釣り人が推奨するだけのことはある。理由は知らないが香港で見たことが無い(大抵の薬品はあるので,ある場所にはありそうだが)。成田空港で入手可能なので路線バスやマカオフェリーに沢山乗る人は日本にいるうちに入手しておいた方が良い。 しかしこのバス停。丁寧にも両替機が不設置だという説明が貼ってある(前に来たときは無かったような)。海外の路線バスに両替機があるケースは珍しく(シンガポール位しか知らない),これにハマるのは両替機が設置してあるか釣銭だけでてくるのが当たり前だと思っている日本人だと思うので日本語表記も欲しいところ。まぁでも,釣銭が貰えなかったところで元が安いので日本人はなんだかわからなくてクレームも上げないのだろうな。$10札で払ったところで損するのは2セント。今の為替レートなら100円と98円の差。どうでもいい額。
バスで向かったのはスタッフスロード展望台。富田靖子が出た香港映画我愛厨房(キッチン)の聖地巡礼兼,中国人見物である。日本人を見ることは殆どないそうだが,何故か中国人は団体バスで次から次に来るのだそうだ。そこでそれが本当かどうか確かめてみる為に行ってみた次第。白壁というバス停で下車。何で白壁というのかと思ったら,近くに白壁という名のマンションがあった。確かに壁が白い。安易だが判り易いのかもしれない。で,iPhoneの地図によるとこのバス停から展望台までは200メートル程度の筈なのだが途中で問題発生。歩道が無いのである。見通しの悪いワインディングロードで歩道が無いのだから結構怖い。こりゃ夜間に夜景など見にこようと思うものなら,反射服を着て行った方が良いかもしれない。
展望台はなるほど,映画で出て来たのと同じ形をしていた。そして先客は中国人団体を乗せた観光バスが3台ほど。噂は本当だった。次から次に物凄い数の人が来て写真を撮っている。路線バスで来たのは自分達だけで,後は露天商を除けば全員観光バスで来た中国人団体だ。こりゃ凄い場所だ。
お約束のパノラマ。標高は低いが景色は悪くない。この真下くらいに婚姻石があるらしい。
スタッフスロード展望台を後にし,また歩道のない道を白壁バス停まで戻る。展望台の真下には婚姻石というパワースポットがあるそうなのだが,灼熱の中,ハイキング道を30分歩く体力的余裕が無いのでまたの機会に。素直にバスに乗って灣仔の胡忠大廈で下車。前回来たときはここで交通事故の巻き添えになったイワク付きのバス停である。バスを降りるとすぐ近くに舊灣仔郵政局がある。現役ではないが,約百年前に建てられた古い郵便局。史跡になっている。後ろの唐楼も興味深いが40〜50年は経ってそうだ。郵政局は史跡として残され,後ろの唐楼は壊されてしまうのが現実。
そしてその先を右折すると目的地であるブルーハウスが見える。これは前述の建物のようにやがては壊されてしまう運命にある古い唐楼をそのまま活用した資料館,灣仔民間生活館がある。以前の香港の人々の暮らしに使われていた道具がそのまま置いてある。まるで香港映画の世界に入ってしまったかのよう。唐楼の部屋を改装もせずそのまま使っている(それが目的なのだが)ので狭いのが難だが,こういうのが好きな人はずっといても飽きないかもしれない。香港映画が好きで,英語か広東語が達者であれば更に楽しめそう。次はもっと勉強して来るかな。
次に向かうのは玩具店。ブルーハウスがある辺りからトラムの道に向かう途中の露店街の中に,確か玩具店街があった筈。勘と目を頼りに少しウロウロして発見。玩具店街でオモチャ探しである。しまった。リトルグリーンメンのランタンはジャスコより安いし,でんでん太鼓はセブンイレブンよりも安かった。ここに来た理由は,ツレが郵便トラックのミニカーを欲しがっていたのだけど,80M(バスを中心に売っている真面目な模型店)には無かったこと。でも多分ここに来れば子供用のミニカーがある筈。この手の店は子供を掻き分けながら店の奥まで入らないとならないのはどこも同じ。勘を信じて3軒目でようやく発見。かなり集中力を使ったので,目が疲れた様子。
次の目的地は天地圖書。本屋である。MTRのあちこちの駅のエスカレーターの所にポスターが貼ってあったもの。15%引きのセールだそうだ。香港に来た1日目から気になっていた広告で,これは行かないと後悔しそう。ところがなかなか見つからない。ポスターには灣仔站B出口とあるが,本屋らしき店が無いのである。グルグル回っていたらナイトスポットまで発見。バーと足裏マッサージ屋が何軒も並ぶ奇妙な一角だったが,とにかく見つけたいのは本屋。結構歩いたのだけど見つからなかったので,とりあえずマックで一服することに。cokeは通じるのにhot coffeeがどういう訳か通じないので,熱珈琲一個(イーガーフェヤッゴォ)といつもの片言広東語言ったら通じた(そしてSmall Sizeは何故か通じる)。どういう訳か香港のマクドナルドでは英語が普通に通じた経験があまり無い。バーガーキングは普通に通じるのに。で,マックでコーラを飲みながらiPhoneで天地圖書の所在地が判らないか検索してみる。すると,先程回った場所の割と近くにあるらしい。確かに最寄はMTRでは灣仔站B出口だが,かなり離れているぞ。トラムの機利臣街が近い。
この本屋,地下は中文,地上は英文と売場が別れている。他に文房具も扱っていたが,文房具売場は日本のソレとソックリだったので魅力無し。やはりここは中文売場である。結構興味深い本が沢山あったのだが,あまり買って帰ると荷物が重くなるし置き場所もないので自制。香港に来てから何故かコンビニで入手できなかった2011年版の通用乘車地圖を購入。後で気がついたのだが,なぜここでアッサリと買うことが出来たか。通用乘車地圖は定価$55のところ,プレミア価格が付いたのか値札を打ち間違えたのか,ここでは$98だったのである(但しセール中で15%引き)。つまり,この本はいつでも入手できる訳ではないことを悟った。最新版現地調達のつもりで日本に2008年版を置いて来てしまったので,今迄ずっとiPhoneのアプリだけが頼りだったのである。
次の目的地はヒルサイドエスカレーター。ここも映画キッチンの聖地巡礼。機利臣街からトラムに乗車。道路幅の関係で,この電停は周囲の車に気をつけながら,歩道から直接乗るようになっている。
トラムは中環の恒生銀行の前にある德輔道中(砵甸乍街)で下車。中環街市を抜け,皇后大道中を渡るとエスカレーターが現れる。エスカレーターというよりも動く歩道か。これを何度も乗り継いで山を登っていく。そのうち坂が急になってくると本物のエスカレーターも現れる。只のエスカレーターなんだが,日本の香港ツアーのおすすめプランにはかなりの確率で登場する名所。このエスカレーターの左側に見える唐楼の一つが映画で使われた場所と予想。証拠は映画の中で窓の先にこのエスカレーターが映っているくらいしかなく,場所はよくわからない。窓の形や建物の様子からいくつか予想できたものの,さすがに時間が経ち過ぎていて決め手に欠ける。まぁ,雰囲気を味わえたからいいか。ここは下町と山の手が融合したような場所で,オシャレな店はかなりオシャレであるし,建物も唐楼や近代的なビルの中にレンガ造りや石造りの歴史的なビルまであって面白い。
古き風景と新しき風景の陰陽。
謎の写真スタジオ。ハングルで何か書いてあるが何のことやら。different people different thinking
降りるのが面倒なので適当なバス通り(堅道)を見つけて,目に付いたバス停へ。バス停に孫中山記念館と書いてある。日本でいう孫文のことで,今年は辛亥革命100周年。これも大変興味があるが時間切れ。また別の機会に。ここで新巴23Aに乗車。バスは更に坂を昇って半山區(ミッドレベル地区)を一周した後,今度は急坂を下って金鐘站へ。ここで2日目に見送ったMTRスーベニアショップを再訪問。やはりプラレールは欲しいがあんなに大きいのは持って帰れない。ここでは切符自販機のポストイット立てと"出"を購入。そのままMTRでホテルへ。
この金鐘站とホテルの間で持ち歩いていた任天堂3DSのnintendogs&catsがすれ違い通信をしていたことに驚き(こちらでは直輸入品以外販売していないので)。名前は如何にも中国人って感じだが相手は香港人っぽいが日本人なのかはよくわからん。メッセージに『日本語わかりません』ってわざわざ書いてあったのだけど,本当なのか釣りなのか。
洗衣店に洗濯物を受け取りに行く。さすがに10ポンドは重い。一応畳んであるのだが,裏返っているのは裏返ったまま畳んであるのが香港クオリティ。これは元々そういうモノ。そこまで気にするならホテルの高額なランドリーサービスを使えばいい。洗剤の独特なジャスミンの香りも,帰国すれば嗅げなくなるので嗅ぎ納め。
夕飯はホテル近くのタイ料理店でフルコース。2人世界(いわゆる2人前)があったので,見つけた時から気になっていた店。そして中々上手い。さすが香港。高級店では無いので追加のチップスとサービス料混みで3500円くらい。しかも喰いきれない位の量。これなら文句無い。
最後の夜なので,電脳系の散策。今回は宿を香港島に取っているので灣仔を中心に。まずはトラムの窓から見つけた灣仔298電腦特區へ。これが面白い構造で,入口のエスカレーターは上りのみ。帰りは非常階段のような所を下って非常口のような所から出る。これがまた香港らしくていい。お気に入りのiPhoneカバー屋さんがあったが,手持ちの香港ドルは残り少ないので見るだけで我慢。この灣仔298電腦特區がある廣生行大廈は,同じビルの裏側にもう一つショッピングセンターがあって,そっちは電脳中心ではなく,東方188商場という名前のオタク系である。中は信和中心の香港島版といった感じ。同じビルの裏表で別の商場があるというのも香港らしくて好き。こちらは帰りに寄ってみることにする。トラムで行くなら杜老誌道,バスは西行きならズバリ廣生行大廈で下車すぐ。トラム通り側にある298電腦特區という看板が目印。東方188商場に行くにはここからグルっと裏に回れば良い。
次に回ったのが昼間見送った灣仔電腦城。ここも欲しい物が結構あったけど我慢。再度トラムに乗り,3日目に見つけたifcのアップルの看板の場所へ行ってみる。うーん,ここは何なんだ。騙されたというか,看板があるだけで何もない。元々この辺にあった筈のアップル製品取扱店まで無くなっている。まだ工事中だけどアップルストアになるというのは看板から判る。しかしいつ開店するのかも一切書いてない。というか,この工事現場,香港HK(Windowsの皆様すいません。多分空白になる場所にある文字はアップルマークです)の文字。その下にはApple Store, ifc mall. 中環新核心 The new center of Central. と書いてあるだけ。さすが米国企業だけあってcentreはcenterと綴っているのね。香港でこの綴りを見るとは,時代も変わったんだなぁと余計なことに関心。そのうち1階もGround Floor (G/F)と呼ばずにFirst Floorと呼ぶことになるんだろうか。それはそれで日本人としては便利なんだが,一つの文化が失われるというのも寂しい。(ちなみにこのApple Storeだが9/24に無事開店したらしい)
騙された自分を慰める為に先程の東方188商場に戻る。信和中心ほどでは無いが,こちらもいい感じのオタクビルである。あちらはブランド,こっちはホンネという感じか。思わず色々と見入ってしまって写真を撮る余裕が無かった。次は必ず撮ろう。そうしよう。
ホテルの近所まで戻り,OK便利店でティッシュカバーを購入。香港ではメジャーな厚手ティッシュTempoを自分用お土産で買って帰るか悩んでいたのだけど(厚手で丈夫なので汗を拭いたりテーブルを拭いたり,この街ではかなり便利に使える。但しトイレに流してはいけない。確実に詰まるので備付けのゴミ箱へ),既にマニングスは閉店。明日買うとスーツケースに入らない。まぁ縁が無かったということで。